8月, 2010 のアーカイブ

不安定が続くギニアビサウ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ギニアビサウ, メディア, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 8月 23, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第6 

南米のコロンビア、ボリビア、ペルーなどでコカインが大量に生産され、様々なルートで消費者となる先進国の住民に密輸される。生産量毎年600トンほどの大産業となっている。カリブ海などのルートでの取り締まりが厳しくなり、近年、西アフリカの国々が代替のルートとして使われている。

小さくて貧しいギニアビサウがその一つである。島の数が多くて、最近までは小さなモーターボートに10人で構成された海軍といった状態で、密輸を阻止することが困難であったのは言うまでもない。さらに、密輸からの利益が高く、国軍の幹部が関わっているとされている。

この問題もあり、政府と国軍との激しい対立が続いている。2009年に軍の参謀長が暗殺され、その翌日、復讐攻撃でヴィエイラ大統領が暗殺された。その後、大統領選挙が行われ、サンャ元国民議会議長が大統領となったが、不安定が続く。

今年の4月に、インジャイ陸軍副参謀長の指令で、首相と陸軍参謀長が拘束され(首相は一時拘束であった)、インジャイが新陸軍参謀長となった。この「ミニ・クーデター」に対して、アメリカが軍事協力プログラムを中止、欧州連合(EU)は治安部門改革のための支援を中止し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)も経済制裁を検討し始めた。

この背景で、8月1日にサンャ大統領は国際社会に平和安定化部隊の派遣を要請した。強力な国軍に対し、大統領の力が及ばず、コントロールが十分に効いていないのが現状である。アフリカ連合(AU)、ECOWASなどが部隊の派遣を検討している。ECOWASは9月にギニアビサウ問題を協議するために緊急集会を開く予定を発表しており、議長を務めるナイジェリアのジョナサン大統領は600人の部隊を派遣する準備があると述べている。

読売新聞はこの問題をどう取り上げているのだろうか。2009年の大統領暗殺と今年4月の「ミニ・クーデター」があった事実を短い記事で報道したが(5年間でギニアビサウに関する記事は3つのみ)、肝心な状況の説明とその背景には何も触れていない。又、4月以降、ギニアビサウに関する記事を記載していない。

この問題は決してギニアビサウだけの問題ではない。西アフリカの全体的な安定もかかっており、そしてグローバルな麻薬の密輸問題とも密接につながっている。報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「西アフリカのギニアビサウで不安定が続きます。政府と国軍の権力争いではありますが、その背景にはグローバルな麻薬の密輸問題があります。ギニアビサウは南米と先進国をつなげるコカイン密輸ルートのハブになっています。読売新聞はなぜこの状況を報道しないのですか?アフリカも世界の一部です。」 

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ギニアビサウと麻薬問題に関するニュース(映像)

 ドナーと麻薬問題についてはこの記事

 ギニアビサウの現状を分析する記事

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国境なき武装勢力:神の抵抗軍

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, ウガンダ, メディア, 報道量, 中央アフリカ共和国 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 8月 17, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第5

今年5月、チャドと中央アフリカ共和国から国連平和維持隊(PKO)の撤退が決まった。スーダンのダルフール紛争が隣国のチャドと中央アフリカ共和国にこぼれたため、PKOが派遣されていたが、チャドはその撤退を要請した。しかし、いまだに様々な武装勢力と全般的な治安問題に悩まされている中央アフリカ共和国政府は8月10日にPKOが残留するよう、国連安全保障理事会に訴えた。

中央アフリカ共和国が悩まされている一つの武装勢力はウガンダの反政府勢力として始まった「神の抵抗軍」(Lord’s Resistance Army, LRA)である。LRAはウガンダ軍の攻撃から逃れるため、コンゴ民主共和国で拠点を作り、戦い続けてきた。ウガンダがルワンダと組んで2度もコンゴ民主共和国に侵略・占領をしたのもLRAを追いかけるためだというのが一つの理由である。

現在、LRAはコンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、南部スーダンで逃亡しながら軍事活動を続けている。まさに「国境なき武装勢力」である。2008年にはウガンダ、コンゴ民主共和国、南部スーダンがLRAに対して共同軍事作戦を展開させたが、いまだにLRAを鎮圧させることができていない。アフリカの多くの紛争はこのように複雑で、複数の国からの当事者に構成されているため、「内戦」というラベルが当てはまらない。(アフリカの地図を参考に)

LRAは極めて残虐な組織として知られている。政府軍から攻撃を受けた場合、復讐として住民に対して虐殺を行うことはよくあるパターンである。2008年のクリスマスの日に上記の共同軍事作戦に対して、コンゴ民主共和国で500人以上を虐殺した。また、勢力を確保するために、多くの子どもを含む住民を拉致し、強制的に戦わせる。拉致された女性は強制的に軍事活動の支援をさせられ、性的奴隷になってしまう。8月11日に発表されているヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の報告によると、この18カ月で拉致された人数は600人以上に昇っている。

LRAのリーダーを務めるジョセフ・コニーに対して国際刑事裁判所から起訴状と逮捕状が出ている。2006年に停戦合意ができ、和平合意に向けて交渉が繰り返されたが、2008年に交渉が崩れ、紛争が再開された。

読売新聞はLRAの存在と活動をどのように取り上げているのだろうか。2006年にLRAとウガンダ政府との停戦合意を記事にしたが、それ以降の4年間、和平が崩れても、共同軍事作戦があっても、虐殺があっても、沈黙を守ってきている。

 中央アフリカの安定に対してこれほど大きな脅威であるLRAをここまで無視してもいいのだろうか?アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

 「ウガンダの反政府勢力として活動を始めた「神の抵抗軍」(LRA)は現在、隣国のコンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国、南部スーダンなどで、武装勢力として虐殺、拉致などを繰り返しています。読売新聞はなぜこの「国境なき武装勢力」の存在と活動を無視し続けるのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 中央アフリカ共和国とPKOについてはこの記事

 LRAに関するヒューマン・ライツ・ウォッチの報告

 過去の記事に関する最新情報:

ルワンダの大統領選挙は予想通り、現職カガメ大統領が93パーセントの票を獲得し再選された。読売新聞は184字の短い記事でカガメ大統領が再選されたことを伝えたが、その背景、相次いだ暗殺、抑圧などには触れなかった。

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ルワンダで大統領選挙

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ルワンダ, 選挙, 報道量 with tags , , , , , , , , , on 8月 9, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第4号

8月9日に、ルワンダで大統領選挙が行われる。現職のポール・カガメ大統領の当選が間違いないといっても過言ではない。2003年に行われた前回の選挙ではカガメ大統領は95パーセントもの票を獲得した。今回の選挙に向けても、大統領への批判の声に対する抑圧が一層強くなっており、90パーセント以上の票を獲得するであろうと見られている。 

今回の大統領選挙に出馬する予定であった野党(FDU)のインガリベ党首が「ジェノサイド(1994年の大虐殺)を否定」したとされ、また「テロリスト組織」(コンゴ民主共和国で活動しているルワンダの反政府勢力、FDLR)と協力しているともされ、今年の4月に逮捕された。さらに、7月には別の野党(民主グリーン党)の副党首が殺害され、頭が切り落とされた状態で発見された。選挙に出馬を意思表明した他の「野党」の登録が認められないケースもいくつか発生している。

しかし、今回の選挙において、カガメ大統領にとっての脅威は野党だけでなく、自分自身が率いる与党(ルワンダ愛国戦線、RPF)の内部にもあると見ているようである。RPF内からの派閥の圧力が強くなり、カガメ大統領はその批判の声を抑えようとしていると思われる。2月に国外に亡命したニャムワサ軍中将(前参謀長)は亡命先の南アフリカで暗殺未遂にあい、政権に近い別の軍の幹部が今年の6月と7月に逮捕されている。

ルワンダのメディアもターゲットになっている。上記の南アフリカでの暗殺未遂事件に関する記事を掲載した、ある新聞の編集長代行が殺害され、現政権を批判したジャーナリストが何人か逮捕されている。また、政権に批判の姿勢を示す二つの新聞は4月に「公共秩序を乱す記事」を掲載したために活動中止を命じられた。

アメリカやイギリスでは、政府にしても、メディアにしても、ルワンダとその政権に対するイメージは概ね好意的なものである。1994年のジェノサイドから立ち直ろうとしているルワンダは汚職を抑え、官僚の効率を上げることに成功し、経済成長を成し遂げたということは挙げられるが、同盟関係にあるということもあり、戦略的にルワンダの現政権を支持し続けている部分も大きい。ルワンダが2度もとなりのコンゴ民主共和国に侵略、占領したことに対する批判はほとんどない。ルワンダの経済成長の裏にはコンゴ民主共和国の占領中に略奪した資源が大きく貢献したことを指摘する声もほとんどない。また、現在の政治的な抑圧を批判する声も少ない。

日本ではルワンダに関する報道はなく、イメージすらできないのは現実であろう。例えば、読売新聞には今年の選挙、政治情勢、上記の事件に関する報道は一切ない。ジェノサイドから16年がたち、「ホテル・ルワンダ」という映画のおかげで、ルワンダという国とジェノサイドがあったことは多くの人に知られたが、現在のルワンダの情勢は知られていない。

8月9日に選挙があったこと、カガメ大統領が圧勝で再選されたこと、果たして日本で報道されるのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「8月9日にルワンダで大統領選挙が実施されています。選挙前のこの数カ月、政治関連と見られている暗殺事件、暗殺未遂事件、野党リーダーの逮捕が相次ぎ、メディアに対する抑圧が強くなっている一方です。読売新聞はなぜルワンダ情勢に関する記事を一つも掲載していないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ルワンダの選挙に関する情報はこの記事

 ルワンダ情勢の分析はこの記事この記事

 ルワンダの選挙に関する映像(ケニアのテレビ局)

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アフリカ連合の首脳会議

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, メディア, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 8月 2, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第3

2010年7月25~27日、第15回アフリカ連合(African Union, AU)の首脳会議(サミット)がウガンダの首都カンパラで行われた。カンパラで76人の死者を出した爆破事件から2週間しかたっていない時の開催だった。爆弾を仕掛けたのはソマリアの過激派団体アル・シャバブ(アル・カーイダともつながっている組織)だと思われている。ウガンダ兵がAUソマリア・ミッション(AMISOM)に参加しているためである。しかし、コンゴ民主共和国に拠点を持つウガンダの反政府勢力(ADF-NALU)の関与も否定できないという説もある。

そんな状況の中、53カ国に構成されているAUの首脳会議は開かれ、南アフリカのズマ大統領、セネガルのワッド大統領、リビアのカダフィ最高指導者、ナイジェリアのジョナサン大統領を含む多くの首脳が集まった。会議ではアフリカにおける母子保健が主要なテーマとして取り上げられる予定だったが、結果的にソマリア問題やテロ対策のほうが大きな話題となった。会議が開催される前から、ギニアとジブチからソマリアへの派兵はすでに予定されていたが、議論の末、ソマリアでの部隊を増強することが決まった。 

もう一つ大きく取り上げられたのは、スーダンのアル・バシル大統領と国際刑事裁判所(ICC)の問題であった。アル・バシル大統領はスーダンのダルフール紛争をめぐり、ICCにより戦争犯罪と人道に対する罪で起訴され、逮捕状も出ている。7月にジェノサイドの罪でも起訴・逮捕状が追加されている。AUのほとんどの国がICCに加盟しているにもかかわらず、AUはこのアル・バシル大統領に対する起訴に反対し、逮捕を拒んでいるという姿勢をとっている。首脳会議中にもAUのジャン・ピン委員長はICCのオカンポ主任検察官を強く批判する声明を出す場面もあった。

これらの課題の他に、エチオピア・エリトリアの和平プロセス、マダガスカルでの統治問題、中央アフリカ共和国とコートジボワールの選挙の実施の遅延なども議論された。ミレニアム開発目標(MDG)の達成状況も取り上げられていた。また、舞台裏では、警護任務をめぐり、開催国ウガンダの警備特務部隊とリビアのカダフィ氏のボディガードが小競り合うというハプニングもあった。

さて、日本のメディアはこの大掛かりの首脳会議をどう取り上げたのだろうか。読売新聞は事後に「ソマリアPKOを増強」というタイトルで一つの短い記事を掲載している。しかも、会議の取材をせずに、「AFP通信によると」と、他の通信社からの情報の転送だけでとどまっている。記事の長さは254字だった。ちなみに同新聞は7月に、アメリカ芸能人リンジー・ローハンが飲酒運転の関連で禁固90日を命じられた「事件」を二つの記事で、合計428字を費やしている。

日本はソマリア沖に海上自衛隊を派遣している。そしてICCの加盟国である。もう少し報道があってもよいのではないだろうか。日本とのつながりがなくても、AUの首脳会議のような大きな出来事を報道すべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「7月25~27日にアフリカ連合(AU)の第15回首脳会議が行われた。多くの首脳が集まり、ソマリア問題、スーダン大統領と国際刑事裁判所の問題などが議論されました。しかし読売新聞の報道はAFP通信からの情報を和訳し、事後に一つの短い記事の掲載だけでとどまりました。このような大きな国際会議をなぜ取材しないのですか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 AU首脳会議に関する映像・解説(アルジャジーラのテレビ番組)

 AU首脳会議とソマリアについてはこの記事

 更に詳細な情報を求める方は、AUのホームページ

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