アフリカ首脳会議の爆撃計画
「アフリカも世界の一部」第43号
2011年1月にエチオピアで開かれたアフリカ連合首脳会議の際、それを狙った爆撃計画が発覚した。7月末に発表された国連の報告書によると、それは隣国エリトリアの政府による大型爆弾テロ計画であった。
国連のソマリア・エリトリアのモニタリング・グループの報告書には、容疑者はエリトリア軍による訓練と指示を受けていたと記載されていた。サミット開催中、会場のほか、首脳が宿泊しているホテル付近やエチオピアの首都アディス・アババの最大の市場も爆撃の対象にしていたことを複数の容疑者が認めた。その中の一人によると、狙いはアフリカ各国の首脳を殺害することではなく、敵対関係にあるエチオピアを不安定に陥れることであった。エリトリア政府は関与を完全否定している。
エリトリアは1993年、エチオピアから独立をしたが、貿易、通貨、国境線をめぐり摩擦が増し、1998年から2000年にわたり戦争が起き、10万人以上の死者がでた。和平合意が成立したものの、国境線に関する合意が未だにできていない。紛争後から介入していた国連エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)は2008年に撤退し、不安定な状況が続いている。2010年にも、国境線付近で衝突が起きている。また、ソマリア紛争において、エチオピアもエリトリアも対立する武装勢力を支援しており、一種の代理紛争となっている。
エリトリアのアフェウェルキ大統領は1993年の独立以来、厳格な独裁政権を守っている。人権問題が蔓延しており、アフリカでジャーナリストがもっとも多く逮捕されている国でもある。多くの国から批判を浴び、孤立状態である。「アフリカの北朝鮮」と呼ばれることもある。ソマリア紛争への関与を理由に、2009年に国連安全保障理事会はエリトリアに経済制裁を課している。
また、現在、アフリカの角と呼ばれている地域全体で起きている飢餓はエリトリアでも大きな問題になっているようである。ところが、エリトリア政府は飢餓の現実を認めておらず、緊急援助の要請もしていない。
日本のメディアはエリトリアを含み、アフリカの角の地域をほとんど取り上げない。また、読売新聞はエチオピアでの爆撃計画を報道するどころか、アフリカ連合の首脳会議が開かれたことすら報道していない。このような出来事を報道するべきではないだろうか?アフリカも世界の一部だ。
以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。
このリンクから直接投稿してください。
(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。
「国連の報告書によると、エチオピアで開かれたアフリカ連合首脳会議の爆撃計画にエリトリア政府が関与していました。読売新聞はこのテロ計画を報道するどころか、首脳会議が開かれたことすら報道していません。このような出来事を報道してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」
英語になりますが、以下のサイトを参照に:
エリトリア政府と爆撃計画に関する記事
エリトリア政府の情勢と爆撃計画に関する記事
エリトリアと飢餓に関する記事
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