Archive for the 「アフリカも世界の一部」 Category

チャゴス諸島の返還

Posted in 「アフリカも世界の一部」 with tags , , , , , , , , , , , on 6月 25, 2012 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第51号 

20126月、イギリスとモーリシャスの首相がロンドンで会談をもった。その議題のひとつはイギリス領となっているチャゴス諸島の返還であった。チャゴス諸島はインド洋の真ん中に位置する小さな諸島である。

チャゴス諸島の歴史は明るく語れるものではない。植民地時代、この諸島はイギリスの自治区であったモーリシャスの一部であったが、独立前の1965年、イギリスが「国防」を目的にモーリシャスから購入することになった。その売却の交渉を担当していたモーリシャス初代総理大臣はその直後、イギリスからナイト爵位を授与された。国防上、不要になった場合、返還をするという条件付きで売却された。

その後、インド洋で基地を新設しようとしていたアメリカにチャゴス諸島のディエゴガルシア島をイギリスが貸すことになった。しかし、アメリカは無人島を求めていたため、島の住民を全員強制移住させた。イギリスは無料同然でこの島を貸す代わりに、アメリカから購入していた核兵器の値引きをしてもらった。

2000年代、この米軍基地から長距離空爆機が飛び立ち、アフガニスタン及びイラクに空爆を繰り返していた。日本政府が給油活動を通じてこれらの戦争の後方支援を担っていたときも、ディエゴガルシア島がその拠点のひとつでもあった。また、この基地はCIAの秘密刑務所として使われた可能性もある。

2010年、イギリスはチャゴス諸島の海域を世界最大の海洋保護区域に指定した。しかし、これは環境保護より、チャゴス諸島の元住民の復帰を防ぐことが狙いだと、ウィキリークスが公開した米政府の外交電報で明らかになった。チャゴスに戻ったとしても、魚がとれなければ、住民の生活が成り立たない。

ディエゴガルシア島の米軍へのリースは更新するかどうか、決定の期限は2014年である。これを背景に現在、返還の交渉が行われている。モーリシャス政府はチャゴス諸島の返還を求めているが、米軍基地の撤退までは求めていない。アメリカから現状維持のための大きな金銭的な見返りが予想される。

チャゴス諸島の元住民が故郷から追い払われてから40年が経つが、復帰を目指し、法廷などで争い続けている。日本のメディアはイギリスとモーリシャスの交渉を報道していない。朝日新聞のウェブサイトに「ディエゴガルシア」の検索をしても、該当する記事が見つからない。返還プロセスが始まろうとしている今こそ、この問題に脚光を浴びさせるべきではないだろうか。チャゴス諸島も世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「イギリス領となっているインド洋のチャゴス諸島がモーリシャスに返還されるかどうか、交渉が始まっています。そこにある米軍基地の行方についても議論してもよいのではないでしょうか。この問題も取り上げてください。チャゴス諸島も世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 チャゴス諸島問題に関する分析

 イギリスとモーリシャスの会談に関する記事

 チャゴス諸島問題に関するドキュメンタリ

 

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

NHKニュースとアフリカ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, メディア with tags , , , , , , , , , on 5月 14, 2012 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第50号 

国際ニュースが非常に乏しい日本のマスコミのなかで、世界の出来事の報道に最も力を入れているのは日本放送協会(NHK)である。とはいえ、NHKにおいても国際ニュースの優先順位は低い。例えば、平日の夜9時に1時間ほど放送されている「ニュースウォッチ9」に対して調査を行ったところ(20121月~3月)、国際ニュースは全体のわずか7%だった。

その内容の大半が、日本と直接関わる「アメリカ」と「北朝鮮」のニュースであった。このようなニュースももちろん重要ではあるが、グローバル化が進む現代において、世界との密接なつながりは見えてこない。より広い意味で「世界はどうなっている?」という純粋な問いも重要であり、答えることがマスコミの義務ではないだろうか。

では、アフリカの扱いはどうなっているのだろうか。調査の対象となった「ニュースウォッチ9」の3ヶ月分では、アフリカで唯一登場したのがエジプトであった。現政権に対するデモが3回ほど短く報じられ、合計2分間が与えられた。これは報道された国際ニュースの0.7%に値する

この3ヶ月、アフリカ大陸において他に報道するべきものがなかったわけではない。武力紛争では、南北スーダン紛争が激化、ソマリアでも紛争の進展があり、そしてナイジェリアでテロ爆弾、マリでクーデタが起こった。NHKでは他のニュース番組で部分的報道されることはあったものの、重要なニュースをまとめ分析する「ニュースウォッチ9」で取り上げられることは一度もなかった。

またNHKの海外支局の配置も上記のような優先順位を物語っている。29の海外支局のうち、アフリカにある支局は「アフリカ」より「中東」に近いエジプトの首都カイロのみである。

国際ニュースの量が最も多いNHKの番組は、衛星放送(BS1)のワールドWAVEという番組である。23の「世界の放送局」からニュースをかき集め、放送している。しかし、これはアフリカと南極以外の「世界」であり、アフリカの放送局はまるで存在しないかのようだ。

娯楽が中心の民放に比べ、ある程度世界に目を向けているNHKにとっても、アフリカ大陸のニュース価値は極めて低いようだ。世界最大の国家数(世界の4分の1)で構成され、世界最大の武力紛争のほとんどを抱えているアフリカ。その出来事に目を向けてもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、NHKにこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

20121月~3月までの3ヶ月間、番組「ニュースウォッチ9」では、アフリカ大陸について報じられたニュースはエジプトのみで、合計わずか2分間でした。アフリカの出来事も報道してください。アフリカも世界の一部です。」

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

マリで紛争勃発

Posted in 「アフリカも世界の一部」, マリ with tags , , , , , , , , , , , on 2月 17, 2012 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第49号 

20121月、西アフリカのマリで武力紛争が勃発した。正確には、2009年に一旦終結していた紛争が再発した。マリの北部で遊牧生活を続けてきたツアレグという民族が自治区を実現するためにマリ政府と戦っているのである。

ツアレグは現在のマリ、ニジェールアルジェリアモロッコリビアブルキナファソに渡り、サハラ砂漠でラクダの牧畜などを中心に暮らしてきた民族である。自分の生活を外部の干渉から守るために、植民地時代にはフランスの支配から、その後に作られた国家からの支配に対しても抵抗を続けてきた。しかし、1960年のマリ独立後に起きた反乱はマリ政府に容赦なく潰された。

ツアレグが悩まされてきたのは外部からの支配だけではない。197080年代には干ばつが多く発生し、環境破壊、砂漠化、人口の増加にも脅かされた。隣国に流れたり、都会に出ざるを得ない人が増え、伝統的な暮らしは崩壊に向かい、貧困が深刻化した。

このような状況を背景に、199092年、そして200609年、ツアレグの武装勢力とマリ政府との間、武力紛争が繰り広げられた。これらの紛争は、地域の情勢からも切り離せない。西アフリカの各国にも影響力を発揮しようとしていたリビアのガダフィー政権はツアレグの武装勢力を受け入れ、訓練及び武器を提供していた。一方、北西アフリカの多くの国はツアレグを抱えているため、自国にも紛争が飛び火することを懸念し、「ツアレグ問題」の収束を願っている。アルジェリア政府はマリ政府を軍事支援しているとの報告もされている。

今回の紛争の再発もリビア情勢と密接につながっている。2011年のリビア紛争の際、多くのツアレグの戦士がガダフィー政権側に加わったが、ガダフィー政権の崩壊とともに、マリのツアレグ戦士が故郷に戻り、マリ政府との新しい紛争を計画し始めた。以前の紛争に比べ、今回の紛争の大きな違いは武装の規模である。マリで反政府勢力となるグループは崩れ始めていたガダフィー政権から大量の武器をマリに流したわけである。

マリでの紛争が始まり、1ヶ月が経とうとしている。すでに2万人の難民がただでさえ水不足、食料不足で苦しんでいる隣国ニジェールなどに流れている。しかし、日本ではこの紛争が報じられていない。読売新聞には一度も記事として取り上げられていない。この北西アフリカにはアル・カイーダの支部と言われるグループも活動しており、地域全体的な不安定にもつながるこの紛争を無視してもよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

20121月、西アフリカのマリで武力紛争が勃発しました。リビアのガダフィー政権崩壊とも密接につながっている紛争です。読売新聞はなぜ、この紛争を一度も取り上げていないのでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 マリ紛争に関する記事

 マリ紛争に関する分析

 マリのプロフィール

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

アンゴラでデモ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アンゴラ, 選挙 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 12月 9, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第48号 

北アフリカ・中東での民主化運動はサハラ以南のアフリカにも影響し続けている。12月、南部アフリカのアンゴラでは、32年間続いているドス・サントス政権に対するデモが開かれたが、直ちに警察に抑えられ、デモの参加者は逮捕された。

他の多くの国ではこのような数百人規模のデモはそれほど注目に値しないが、政権に対する批判が許されないアンゴラではこのような動きは大きな意味を持っている。20112月以降、このようなデモが数回起きている。デモが実施された首都ルアンダの広場はエジプト革命の舞台となった広場の名を借り、「我々のタハリール広場」と呼ばれるようにもなっている。

1975年、独立戦争を経てポルトガルから独立したアンゴラは、冷戦の大国闘争に巻き込まれ紛争が続いた。冷戦の終結とともにアンゴラの紛争も一旦終わったものの、反政府勢力のUNITAは終戦後に実施された選挙(1992年)での落選を受け入れず、紛争が再発した。しかし、2000年代に入ってUNITAの勢力が衰退し、2002年にそのリーダーが戦死したことをきっかけに、ようやくアンゴラでの紛争が終わった。

しかし、平和が訪れても大統領選挙が実施されることはなかった。約束された選挙は数回延期され、現時点では、2012年(20年ぶり)に予定されている。今のところ、エジプトのような革命・政権交代は考えにくい。2008年に実施された国会議員選挙では、野党が封じ込まれ、与党のMPLA81パーセントの議席を獲得した。2012年の選挙では、ドス・サントス現大統領の再選は確実だと見られている。しかし、71才になる大統領はいつまでも政権を握ることもできず、その後継者の候補をめぐる政治的争いがすで始まっている模様である。

アンゴラは石油、ダイヤモンドに恵まれ、経済成長が確実に進んでいる。債務危機で苦しむ元宗主国ポルトガルの救済措置の一貫として、アンゴラは石油から得た利益をポルトガルに投資すると表明したほど成長を成し遂げている。しかし、その分配が非常に不平等で、人口の大半は貧困で苦しむ。政府の財政状況は不透明であり、多大な資金が大統領、その親戚及びその他のエリートに流れているとされる。

日本のメディアはアンゴラ情勢をほとんど取り上げることはない。例えば、読売新聞は近年、アンゴラ情勢に関する記事を掲載したのは20101月と、2年近くも前となる。今年のデモはアンゴラにすれば大きな意味を持つ出来事である。アンゴラ情勢を報道してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「読売新聞が近年、アンゴラを取り上げてから2年近くが経っています。民主化を求めるデモの発生や、元宗主国ポルトガル経済の救済措置への貢献など、報道に値する出来事が起きています。報道するべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アンゴラでのデモに関する分析

 アンゴラのポルトガル「支援」に関する記事

 アンゴラの政治に関する記事 

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

ケニア軍のソマリア侵攻

Posted in 「アフリカも世界の一部」, エチオピア, ケニア, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , on 11月 24, 2011 by Virgil

ケニア軍のソマリア侵攻

 

「アフリカも世界の一部」第47号 

20111016日、紛争が長年続くソマリアの情勢を変える大きな動きがあった。隣国ケニアの軍部隊が戦車や装甲車で国境を越え侵攻を開始したのだ。ケニアにとってこの「国家を守る作戦」は1963年の独立以来,最大の軍事行動である。

ケニア政府によると、侵攻の目的はケニアの国境の安全を確保することである。ソマリアでの紛争と飢餓の影響がケニアに溢れ、難民、海賊、誘拐事件などがケニア政府を悩ませてきた。ケニアの侵攻のきっかけとなったのは10月にケニアで起きた外国人の複数の誘拐事件(ソマリアの武装勢力によるもの)だが、それ以前かも侵攻を企画していたようである。

ケニアが特に問題視してきたのは、ソマリアの中南部を支配してきた武装勢力「アル・シャバブ」である。アル・シャバブは今年まで、首都モガディシュも支配し、昨年、ウガンダで起きた爆弾テロにも関与した。現在のケニアの攻撃はアル・シャバブに向けられており、港湾都市キスマヨの制圧を目指しているとされている。キスマヨは自治区ジュバランドの首都でもあり、ケニアはジュバランドを中心にバッファー・ゾーン(緩衛地帯)を確保し、ソマリアの問題がケニアに溢れるのを引き止める狙いであろう。

ソマリアでの紛争は依然として国際的なものである。2006年に、もう一つの隣国のエチオピアが侵攻し、首都の制圧に成功したものの、抵抗が激しかったこともあり、2009年に撤退した。残った暫定政府は弱く、首都のコントロールもできなかった。暫定政府を守るためにアフリカ連合が首都への派兵(主にウガンダ軍とブルンジ軍)し、2011年にようやく、アル・シャバブを首都から追放することができた。エチオピアはケニアの侵攻を機に、再びソマリアへの介入及びケニアと同様のバッファー・ゾーンの設置を計画しているとされ、すでに侵攻が始まっているという報告も出ている。

今回のケニアによる侵攻では、アル・シャバブの拠点への空爆も増えているが、すべてがケニア空軍によるものではないという疑いがある。特にいくつかのピンポイント空爆がケニア空軍の軍事能力を超えているとされ、アメリカもしくはフランスによるものではないかと推測されている。

日本のメディアは、ソマリア沿岸付近の海賊問題をときどき取り上げるが、今回のケニア侵攻とソマリア紛争をほとんど報道しない。読売新聞は10月にひとつの記事(280字)でケニア侵攻の事実を伝えたが、それ以降の1ヶ月以上、一度も紙面に載せていない。日本も悩まされている海賊問題の裏にはソマリア紛争がある。その紛争の展開を無視してもよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ケニアがソマリアに侵攻してから1ヶ月が経ちました。読売新聞は侵攻の開始を伝える記事を掲載してから、その後の状況を一度も紙面に載せていません。海賊問題の裏にはソマリア紛争があります。その紛争を無視してもよいのでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ケニアのソマリア侵攻の動機に関する分析

 ケニアの軍事活動に関する分析

 ソマリアでの空爆に関する記事

 エチオピアの侵攻開始に関する記事

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

Yahoo! JAPAN ニュースとアフリカ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, 芸能人, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 11月 12, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第46号 

日本では、多くの人が世界に関する情報をインターネットで入手するようになった。そこで、新聞や通信社から記事を集積しているYahoo! JAPAN ニュースの1年分(2010年)の報道(ヤフーのトップページで掲載された20,233件)を分析してみた。

まず目立ったのは、新聞、通信社と同じく、日本に関する情報が大半を占めたという結果である。国際ニュースは全体の記事数の10パーセントにすぎなかった。その中でも、世界に関するニュースだけではなく、世界にいる日本人にスポットを当てた記事も少なくなかった。また、エンターテインメントの記事は15パーセント、スポーツの記事は22パーセントと、「ソフト」なニュースは37パーセントにも上った。

また、少ない国際ニュースの中でも、アフリカ大陸に関するニュースはたった2.4パーセントしかなく、ほとんど相手にされていないということが明確である。ニュースとして取り上げられた個人・グループと比較してみよう。

すべての有名人を取り上げているわけではないが、明らかなのは、様々なスポーツのトップ選手や、スキャンダルで注目を浴びた芸能人が、たった一人でも、アフリカ全54ヵ国でのすべての出来事に対する報道量を軽く超えている。

では、わずかなアフリカに関する記事の内容を見てみよう。南アフリカで開催されたFIFAワールドカップ(サッカー)を中心とした記事は全体の28パーセントも占めていた。これはスポーツのニュースではなく、ワールドカップ開催時の治安や応援に使われていたブブゼラ(プラスチック製のラッパ)などを話題にしたニュースであった。ワールドカップに関係していない南アフリカに関する記事は3件しかなかった。

ワールドカップ関連の記事を除けば、アフリカでもっとも報道された国はスーダンで、ダルフール紛争などについて、6件の記事が掲載された。5件の記事が掲載されたコートジボワールが2位で、ナイジェリアとリビアは3位(それぞれ4件の記事)であった。別の例で比較すると、アメリカのお騒がせセレブ、パリス・ヒルトンに関する記事(9件)、そしてワールドカップの試合結果を占うドイツの一匹のタコに関する記事(8件)も、どのアフリカの国よりも報道の対象となっている。

このような統計は日本のメディアの悲しい現実を反映している。ネット上のニュースでも、世界に関する情報より芸能ニュースのほうが多く、そして少ない国際ニュースの中にも、アフリカはほとんど存在しない。この現実はいつまで続くのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

この現実を多くの人と共有しましょう。フェイスブック、ミクシー、ツィッター、ご自身のブログなどで広め、意識を高めましょう。アフリカも世界の一部です。

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

南アと欧州の武器取引問題

Posted in 「アフリカも世界の一部」, 南アフリカ with tags , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 18, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第45号 

20119月、南アフリカのズマ大統領は武器取引における汚職疑惑の調査を再開することを発表した。問題にされている武器取引は、1999年に南アフリカ国軍の近代化を目指し欧州数カ国との間に行われた大規模の取引(約3千億円)である。

取引にはイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スウェーデン、南アフリカの企業が参加したが、契約を成立させるために、いくつかの企業が南アフリカの政府関係者などを買収した、もしくは、政府関係者のほうから賄賂を要求したという疑惑がもたれている。例えば、南アフリカに戦闘機を売ったイギリスの兵器製造業者BAE社(スウェーデンのSAAB社と共同)が賄賂用の予算を設けていたと広く報道されている。

取引が行われた当時から疑惑が浮上しており、すでに南アフリカでは何人かの政府関係者が逮捕され、有罪判決が出ている。その一人は当時副大統領を努めていたズマ氏の財務顧問であったため、ズマ氏本人の関与も疑惑視されてきたが、2009年にすべての起訴は取り下げられた。

そこで、なぜズマ大統領本人が今回の調査再開に踏み切ったのだろうか。現在、ズマ大統領が率いる与党ANC内部で争いが激しくなっており、党内でズマに反対している勢力が再び汚職疑惑をかけようとしている。疑惑が再び浮上した場合、不利にならないよう自ら調査のプロセスをコントロールするためとされている。

仮に汚職問題がなかったとしても、取引自体に対する批判も強かった。深刻な貧困問題を抱え、また南アフリカの脅威となる強力な国が周辺には存在していない。そんな状況の中で、新しい軍艦、潜水艦、戦闘機などに何千億円をかける必要性が問われた。

南アフリカはアフリカ大陸では最大の経済を誇っており、世界の主要新興5カ国(BRICS)に含まれている。人種差別が制度化されていたアパルトヘイト時代に、他の多くの国がアパルトヘイト政策の撤廃をめざし経済制裁をかけていた中、日本は白人政権と良好な貿易関係を維持し、南アフリカの最大の貿易相手となった。そのため、本来なら差別の対象となる日本人は「名誉白人」として扱われていた。現在も、経済を含み、日本との関係は決して浅くない。

しかし、日本では、2010年のワールドカップ以降、南アフリカに関する報道が少ない。例えば、読売新聞は今年に入ってから、地方選挙及び、アパルトヘイト時代の話題に関する記事をいくつか掲載したものの、武器取引問題については一度も報道していない。また、ズマ大統領の政治問題もほとんど報道されていない。南アフリカの情勢を報道する必要があるのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「南アフリカと欧州数カ国の企業との間に行われた大規模の武器取引をめぐる疑惑の調査が現在再開されています。南アフリカのズマ大統領も関与していたともされています。この問題を報道する必要があるのではないでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 南アの武器取引問題に関する分析

 BAE社と南アの武器取引に関する記事

 BAE社と南アの武器取引に関する分析

10月に行われる国際イベント「コンゴウィーク」に関する情報

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

安定しないコンゴ民主共和国

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 6, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第44号 

201111月、コンゴ民主共和国DRC)で大統領選挙が予定されている。しかし、実施に必要なDRC政府の予算も、先進国ドナーからの援助も大きく不足しており、準備が遅れている。有権者登録が済んだものの、独立機関による確認が行われていない。野党が不正を訴え、91日には首都キンシャサで数百人によるデモが発生した。現在も、選挙を延期するべきか、不正の懸念を持ちながらも予定通り強行するべきか、DRC国内外で議論されている。

冷戦後、世界最多の死者数を出しているDRCの紛争はまだ終わっていない。DRCに侵攻し占領していたルワンダウガンダ2003年までに撤収し、表向きには、国際紛争は終息した。包括的な和平合意が結ばれ、2006年に歴史的な選挙も行われた。ルワンダが支援し続けていた大型反政府勢力も2009年に政府と和平合意を結び、兵士は国軍に取り込まれることになった。

しかし、紛争は部分的に続いている。東部ではいくつかの武装勢力が軍事活動を続行しており、DRCの国軍はいまだに制圧できていない。また、多くの人権侵害の加害者が給料も訓練も十分に受けていない国軍の兵士であり、国軍でありながらも一般市民にとって脅威となることも少なくない。さらに、和平合意を結び、国軍に「統合」された元武装勢力も、制服を着替えたものの、もともとの形をそれほど崩しておらず、部隊の解体やDRC国内の他の地域への移転を拒んでいる。

また、様々な形で紛争が20年近く続いてきたため、警察、司法制度の機能が極めて弱く、治安が大きな問題として残っている。安定しないDRCの東部では暴力事件、殺人事件、レイプが多発している。そして少なくとも170万人の国内避難民は家に帰ることができていない。

紛争を長引かせたひとつの要因として、日本の電子産業にも欠かせない鉱物資源が挙げられている。昨年発表された国連の報告によると、東部にあるほとんどの鉱山は国軍を含む武装勢力にコントロールされている。このような紛争と関連した鉱物資源の規制につながる法律がすでにアメリカで採択されている。その結果、企業は使用している資源が紛争と無関係であることを証明する義務を負うようになる。アメリカ及びアメリカの市場を対象にする世界の多くの企業がすでにDRCからの鉱物資源を避け始め、DRCからのスズ、金、タンタルなどの輸出が激減している。

日本のメディアはなぜこのような情勢を無視するのだろうか。読売新聞は2011年に入ってから、DRC情勢に関する記事をひとつも掲載していない。せめてDRCの安定に大きく影響する今年の選挙、そして日本の電子産業にも影響を及ぼす鉱物資源問題に関する報道があってもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「今年実施されるコンゴ民主共和国の大統領選挙の準備が遅れ、不正を訴える野党によるデモが発生しています。日本の電子産業も関連している鉱物資源問題も世界で注目を浴びています。にもかかわらず、読売新聞は2011年に入ってからコンゴ民主共和国の情勢を一度も報道していないのはなぜでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 選挙準備をめぐるデモに関する記事

 DRC紛争と武装勢力に関する分析

 DRC紛争、選挙、鉱物資源に関する分析

 10月に行われる国際イベント「コンゴウィーク」に関する情報

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

アフリカ連合サミットとリビア

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ連合, リビア with tags , , , , , , , , , , , , on 7月 5, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第41号 

630日~71日、53ヶ国が加盟しているアフリカ連合のサミットが赤道ギニアで開かれた。最も議論された話題はリビア情勢であった。カダフィ政権の派遣団が出席していた(カダフィ氏は欠席)が、反政府勢力の派遣団も「特別なゲスト」として参加した。

アフリカ連合とカダフィ政権との関係は複雑である。リビアはアフリカの多くの国々やアフリカ連合にも多額な支援をしてきた経緯がある。また、チャドのデビ大統領やブルキナファソのカンパオレ大統領のように、カダフィ氏から支援を受け、大統領になれたというケースもある。恩を受けてきた立場から、カダフィ氏に対して簡単に批判ができない。また、アフリカ緒国間では、内政不干渉の傾向も強い。

一方、現在のリビア紛争において、軍事的にも、政治的にもカダフィ政権の立場が弱くなりつつある。また、政府による一般市民への人権侵害も目立っている。アフリカ連合の中では、カダフィ氏を批判し、政権交代を呼びかける声も上がっている。セネガルは早くもリビアの反政府勢力をリビアの正当な「政府」として認めることを発表した。

しかしながら、多くのアフリカの国々は現在続いているNATO(北大西洋条約機構)による軍事介入も批判している。「市民の保護」の名のもとでの空爆が逆に市民への被害を引き起こしているという声が上がっている。また、フランスが反政府勢力に武器供与を行っていることが判明し、この行為も周辺国への武器拡散をもたらし、地域の不安定につながるという懸念もある。

アフリカ連合はカダフィ政権と反政府勢力に対して、停戦を呼びかけ、仲介を試みてきた。和平に向けたプロセスを示す「ロードマップ」も提案している。しかし、反政府勢力はカダフィ氏を含む政権は認められないとして、交渉は難航している。また、カダフィ氏に対して、「人道に対する罪」の容疑で国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出ているが、和平プロセスを妨げるものとしてアフリカ連合は逮捕に協力しないと発表している。

欧米のメディアがリビア問題に注目していることもあり、日本のメディアもある程度、取り上げている。しかし、基本的に欧米の観点からの報道になっている。読売新聞はアフリカ連合のサミットが行われたことすら報道していない。リビアはアフリカの一部だ。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

630日~71日、アフリカ連合のサミットが開かれました。主に取り上げられた議題はリビア情勢でした。読売新聞はなぜこのサミットを一切報道しなかったのでしょうか?リビアはアフリカの一部です。そしてアフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アフリカ連合とカダフィに関する記事

 アフリカ連合のサミットとリビアに関する記事

 リビアと国際刑事裁判所とアフリカ連合に関する記事

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

中央アフリカ共和国で停戦合意

Posted in 「アフリカも世界の一部」, 中央アフリカ共和国 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 6月 22, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第40号 

612日、中央アフリカ共和国の北部の町で、政府と最大の反政府勢力が停戦合意に署名をした。近い将来、和平合意を結ぶ予定だと政府の関係者が話した。これまでにも、いくつかの反政府勢力グループは政府と和平合意を結んでおり、今回停戦合意に署名した「正義と平和愛国者会議(CPJP: Convention of Patriots for Justice and Peace)」は最後に残っている大型反政府勢力である。

中央アフリカ共和国の歴史には多くのクーデターが刻まれている。一時期、国連PKOの派遣もあったが、すでに撤退し、現在も政治的に不安定な状況が続く。ボジゼ現大統領は2003年、クーデターを通じて権力を手に入れたが、その後2005年の選挙で当選し、2011年に再選を果たしている。

また、5ヶ国に囲まれている内陸の中央アフリカ共和国は、周辺の国々の紛争から大きな影響を受けてきた。20023年、コンゴ民主共和国の反政府勢力(「コンゴ解放運動」:MLC)が中央アフリカ共和国の前政権を守るため、当時のパタセ大統領に招かれ、現地の反政府勢力と戦った経緯がある。MLCのベンバ元指揮者(後のコンゴ民主共和国の副大統領)はこのときに生じた犯罪をめぐり逮捕され、国際刑事裁判所に引き渡された。

また、2004年以降、西スーダンのダルフール紛争及びチャドの紛争も中央アフリカ共和国にこぼれ、同国の不安定な状況に大きく貢献している。さらに、周辺数ヶ国で逃亡しながらも、多くの被害をもたらしているウガンダ出身の武装勢力「神の抵抗軍:LRA」も中央アフリカ共和国で活動をしており、悩ましい存在である。

今回の停戦合意は、和平に向けた大きな一歩であると評価されている一方、平和の実現はまだ遠いものだという声もあがっている。長年の紛争と不安定で治安が悪化し、現在も、国軍が実際コントロールできているのは国土の3分の1に過ぎないともいわれている。

日本のメディアは中央アフリカ共和国をと取り上げることは殆どない。朝日新聞のウェブサイト内の検索をかけても、該当する記事がでない。また、読売新聞は10年以上、この国の情勢に関する記事を記載していない。無視されるアフリカの国々の中でも、存在すら殆ど現れない国となってしまっている。このままでよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

612日、中央アフリカ共和国政府と最大の反政府勢力との間で停戦合意が結ばれました。コンゴ民主共和国、及びスーダンの紛争からも大きな影響を受け、不安定な歴史を持つ国です。時には、中央アフリカ共和国に関する記事を掲載してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 中央アフリカ共和国の停戦に関する記事

 中央アフリカ共和国における人権侵害に関する記事

 中央アフリカ共和国の概要

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

ソマリアの暫定政府

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , on 6月 7, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第39号 

20118月、ソマリアの暫定政府の権限期間は満了する。しかし、8月以降に政府の有り方について合意が得られていない。大統領と議会議長との対立がひとつの要因であると考えられている。国の大半を統治できていない暫定政府と様々な武装勢力との戦いが続いており、これ以上、弱体化を防ぐため、選挙をせずに権限の延長をするべきだという声が国内外からあがっている。

2004年の発足当初から、暫定政府の正統性は疑わしかった。紛争状態のなか、治安問題を考慮し、隣国ケニアで暫定政府が組織された。暫定議会が選ばれ、議会が大統領を選出した。暫定政府は2006年まで、ケニアを拠点としていた。2006年、ついにソマリア入りを果たしたものの、首都モガディシュに入ることができず、260キロ離れたバイドアの穀物倉庫で暫定議会が開かれた。

その後、ソマリア情勢が激しく動いた。イスラム法廷会議という勢力が首都を抑えたが、エチオピアの侵攻によってその勢力が崩壊した。安定を取り戻すためにアフリカ連合(AU)の介入が開始され、現在、約9千人がソマリアに派遣されている。影響力も正統性も乏しいままの暫定政府は、統治する領域を拡大するため、イスラム法廷議会の穏健派と同盟を結び、現在の大統領はイスラム法廷議会の元リーダーである。

62ウガンダで開催された、ソマリアへの支援を協議する国際コンタクト・グループの会議で、AU部隊の半分以上を負担しているウガンダのムセベニ大統領は、暫定政府の任期が延長されなければ、ソマリア情勢が悪化し、ウガンダが部隊を撤退せざるを得ない可能性が高まると発表した。

現在も紛争が続いており、暫定政府及びAU部隊はモガディシュの大部分を取り戻すための攻撃を実施している最中である。しかし、日本のメディアは相変わらず、ソマリアの海賊問題のみを取り上げ、海賊問題出現の背景にある紛争を無視し続けている。朝日新聞は2011年に入ってから、ソマリアの紛争、政治情勢に関する記事をひとつも発表していない。同紙は530日、国際民間シンクタンクが発表した世界平和ランクを記事にし、「最下位はソマリア」と、ソマリア情勢を一言で済ませた。世界平和ランクで最下位の国の紛争に注目するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「世界平和ランクで最下位であるソマリアの政治・軍事情勢は激しく動いています。暫定政府及びアフリカ連合の部隊による様々な武装勢力との戦いが続く中、8月に任期が満了する暫定政府の行方について議論が行われています。朝日新聞はなぜ海賊問題以外のソマリア情勢について報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの政治対立に関する記事

 ガンダの撤退発言に関する記事

 ソマリアの概要 

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

 

スーダンのアビエ州問題

Posted in 「アフリカも世界の一部」, スーダン, 南部スーダン with tags , , , , , , , , , , , on 5月 24, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第38号 

201179日、南部スーダンが正式にスーダンから独立し、新しい国家として生まれる。しかし、519日以降、北部と南部の軍隊が激しくぶつかり、独立が果たされる前、2005年に終息したはずの南北紛争が再発することが懸念されている。

南部スーダンの独立は20111月に実施された住民投票の結果で決まり、アフリカ最大の国家が解体されるわけだが、特別扱いで行方がまだ決まらないアビエ州の問題が残っている。石油が豊富なアビエ州に関しても、1月に住民投票が行われる予定であったが、実施の内容について合意ができず、決定が先送りされた。

具体的には、北部スーダンとアビエ州の両方に「暮らす」遊牧民に投票権を与えるかどうかが争われている。北部スーダンは有権者として認めるべきだと主張しているが、南部スーダン側はこれらの遊牧民を住民として扱うべきではないとする。問題が解決されないままアビエ州は、南北の共同管理下にある。

南北ともに部隊をアビエの街に配置しないことが合意され、519日、北部の部隊が国連PKOの立会いのもと、撤収している最中、南部スーダンの攻撃を受け、22人の死者が出た。これに対し、北部が反撃に出てアビエの街を取り押さえた。街の住民(約2万人)の大半が南部へと避難した。現在、国連安全保障理事会の代表団が北部スーダンの首都ハルツームに訪問中であるが、この紛争により予定していたアビエ州への訪問を中止せざるを得なかった。

19832005年のスーダン南北紛争は、コンゴ民主共和国に続き、冷戦後の世界で2番目に多い200万人の死者を出した。その被害者の大半は病気や飢えで亡くなった。紛争終息の象徴である南部の独立を目前に控える現在、今回の事件が南北の平和への道を妨げかねない。しかし、たとえアビエ州問題を別にしても、南部は内部でも問題を抱えている。現政権と戦っている反政府勢力が活動しており、不安定な状況が続いているのである。

この南北スーダンの大きな衝突事件に対して、日本のメディアの多くは沈黙を守っている。例えば、朝日新聞のウェブサイトには5月に入ってから、スーダンに関する記事がひとつも掲載されていない。新しく生まれる国家の行方に影響するこの事件を報道する必要があるのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

519日以降、南北スーダンがアビエ州をめぐり激しく衝突しています。7月に正式に独立する南部スーダンの行方に大きく影響する、この事件に関しての情報が朝日新聞のウェブサイトに掲載されていませんが、なぜ報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アビエ州問題に関するニュース(映像)

 アビエ州問題に関する記事

 スーダンのタイムライン

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

ソマリアの干ばつと紛争

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , on 5月 17, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第37号 

ソマリアは現在、壊滅的な干ばつに直面している。20年前の飢餓以来、最大の危機となっている。大半の農作物の収穫時期は7月であるが、雨量が少ないため、不作が懸念されている。国連によると、人口の32パーセントは人道支援を必要としている。しかし現時点では、国連が定めている緊急支援要請金額(2011年分)の36パーセントしか集まっていない。

ソマリアへの緊急支援を妨げるものは無関心だけではない。ソマリアでの紛争が続いており、地域によっては緊急支援物資を届けるのに危険を伴う。また、支援物資が入ったところで武装勢力に流れてしまうことも懸念されている。これまでも、緊急支援の一部が結果的に紛争に貢献していると指摘する者もいる。

1991年、中央政府が崩壊して以来、ソマリアは紛争から抜け出すことができない。1990年代前半、国連PKOや多国籍軍による介入が試みられたが、失敗に終わっている。2006年、イスラム法廷会議という勢力が首都を抑え、一旦、状況が安定したが、イスラム法廷会議を敵視した隣国のエチオピアが軍事介入してきた。それにより、イスラム法廷会議は崩壊したものの、様々な勢力によるエチオピアへの抵抗が激しく、エチオピアも撤退せざるを得なかった。安定を取り戻すため、アフリカ連合(AU)による介入も開始されているが、いまだに紛争は収まらない。

現在、いわゆる「暫定政府」が存在するものの、実際コントロールできているのは首都の半分程度のみである。イスラム法廷会議の崩壊から生まれた過激派のアル・シャバブという武装勢力は、現在も暫定政府やAUの部隊と戦っている。5月に、AUの基地に迫撃砲の攻撃を受け、ブルンジの兵士11人が犠牲になった。また、自分の権力と影響力の確保、拡大を狙う様々なウォーロード(武装勢力を率いる権力者)も活動している。

日本のメディアは紛争のことをほとんど取り上げず、ソマリア沖の海賊問題しか報道しない。干ばつに関する報道もない。例えば、朝日新聞のウェブサイトを見ている限り、2011年に入ってから、ソマリア沖の海賊問題に関する記事はいくつかあっても、ソマリアの紛争、国内の情勢、AUの介入問題などに着目した記事はひとつも掲載されていない。今回の干ばつはさらなる人道的危機をもたらすことが目に見えている。どこまで無視するのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ソマリアの激しい紛争が続いています。また、20年前の飢餓以来、最大の干ばつが発生しています。さらなる人道的危機が予想されます。朝日新聞はなぜ海賊問題しか報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの干ばつに関する記事

 ソマリアと支援問題に関する記事

 ソマリア紛争に関する記事

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

揺れるブルキナファソ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ブルキナファソ with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 5月 8, 2011 by Virgil

揺れるブルキナファソ

「アフリカも世界の一部」第36 

チュニジア革命を発端に、北アフリカや中東に広がりを見せる、長年権力を握り続けてきた政権に対しての市民運動。現在メディアで、ある程度は注目されているリビア及びシリアの運動も実は氷山の一角なのである。例えば、アフリカでは、アルジェリアモロッコウガンダにおいても、デモが頻繁に実施されている。それぞれの運動は背景が異なり、必ずしも現政権の打倒だけが目的ではないが、つながりがある

もうひとつ、動きが見えているのは西アフリカのブルキナファソである。4月中旬、大統領警衛隊を含む国軍の一部が未払いの住宅手当をめぐり、反乱を起こした。1987年から大統領の座に座ってきたカンパオレ大統領は一時的に首都から逃亡せざるを得ない状態が起きてしまった。カンパオレ大統領は国軍の反乱を阻止できなかった防衛大臣を退任させ、自らが防衛大臣となった。

国軍の反乱を機に、数万人の一般市民も食料の価格上昇に対するデモを始めた。これは、カンパオレ政権に対しての不満が大きいが、経済的な問題も大きい。ブルキナファソの経済の大きな部分を担っているのは、綿花の栽培であるが、アメリカが自国の綿花栽培に大きな助成金をかけていることが大きな原因で、国際市場での綿花の価格が低く、ブルキナファソの経済成長が進まない。

ただでさえ貧困が蔓延しているブルキナファソだが、2010年年末、隣国コートジボワールでの政治対立及び紛争が発生してから、さらなる経済的打撃を受けた。内陸であるブルキナファソの輸入品の大部分はコートジボワール経由で入ってくるが、コートジボワールでのトラブルが発生してから、物流がスムースに動かなくなり、ブルキナファソの輸入が困難になったため、物価がさらに上昇した。

4月末には警察もデモに加わり、ついに複数の野党が共同声明でカンパオレ大統領の辞任を求めた。与党党首は「野党がクーデターを狙っている」と批判した。カンパオレ大統領は元々クーデターを通じて大統領になった経緯がある。

日本のメディアはブルキナファソの問題を取り上げていない。朝日新聞のウェブサイトにはブルキナファソの情勢に関する記事はひとつもない。皮肉なことに、5月1日、テレビ朝日の番組では1時間近くをかけ、隣国のマリに注目した。しかし、その番組は、「世界の村で発見!こんなところに日本人」というタイトルで、マリに住む日本人を探すための娯楽番組であった。たとえ5分でも、ブルキナファソやマリの情勢が報道されてもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「チュニジア革命で始まった市民運動は北アフリカと中東だけで起きているわけではありません。ブルキナファソの政権も揺れています。国軍の反乱から始まり、現在、多くの一般市民、警察、野党などが大統領の辞任を求めています。この状況ももう少し報道してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ブルキナファソのデモに関する記事

 綿花とブルキナファソの問題に関する記事

 ブルキナファソのタイムライン

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

ウガンダでデモとその鎮圧

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ウガンダ with tags , , , , , , , , , on 4月 28, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第35 

2011年4月14日、ウガンダ最大野党のベシジェ党首が警察に射たれ、負傷したことが報告された。当時、ベシジェ氏は食料・ガソリンの価格上昇に抗議するデモに参加していた。その後、手にギブスを巻いた状態で更なるデモに参加したところ、暴動を扇動した罪で逮捕された。2月以降、3度の逮捕となる。

1986年以降、大統領を務めるムセベニ大統領の再選が確定した2月の選挙以降、複数の野党がムセベニ政権に対して、徒歩で集団で出勤するというデモ(walk-to-workキャンペーン)を定期的に実施してきた。選挙では、ムセベニ大統領は68%の票、ベシジェ氏は26%を確保したが、野党は不正を訴えている。

ムセベニ大統領は反政府勢力のリーダーとしてウガンダを制圧し、1986年に政権をとった。それまでの軍事政権による人権侵害が多発していたのに対して、ムセベニ政権は幅広い改善と経済成長に成功した。しかし、複数の反政府勢力の活動に悩まされ、近年までウガンダ北部の紛争が続いてきた。また、ウガンダは2度、隣国ルワンダと一緒にコンゴ民主共和国に侵攻し一部占領していた事実もある。占領中、金など鉱物資源の組織的な略奪が発覚し、コンゴ民主共和国が国際司法裁判所に訴え、ウガンダは損害賠償を命じられた。民主化においても、問題が多く、2005年までは一党支配国家であった。

ベシジェ氏は1982年からムセベニ氏の専属医師を努め、1986年に内務大臣に任命された。しかし、有能であるために、ムセベニ大統領には脅威として見られるようになった。2001年にベシジェ氏はムセベニ政権を批判し、大統領選挙への出馬を表明した。選挙で落選したベシジェ氏は脅迫を受け、国外に亡命したが、2006年の選挙に出馬するために帰国した。しかし帰国したところ、根拠のない反逆及びレイプの罪で一時期逮捕されたため、選挙運動がほとんどできず、再び落選した。

日本のメディアはウガンダでの出来事をほとんど報道していない。例えば、朝日新聞は2月の大統領選挙が実施された事実とその結果をひとつの短い記事で報道した。ベシジェ氏の3度目の逮捕に対して、ロイター通信からの短い記事を転用(紙面ではなく、ウェブサイトのみに掲載)している。しかしいずれも情報量が極めて少なく、ウガンダの政治情勢の文脈が含まれていないため、これら一連の出来事の意義が見えてこない。この問題も理解を深める報道の対象になってもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「今年2月に行われたウガンダの大統領選挙後の政治情勢が不安定になっています。野党による定期的なデモが行われているなか、デモに参加していた野党の党首が警察に射たれ、逮捕されています。この状況とその背景をもう少し報道してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ベシジェ氏の逮捕に関する記事

 ベシジェ氏の逮捕に関するニュース(映像)

 ウガンダの概要

 「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

メールの配信を希望する方はこのアドレスにメールを。

過去の記事はこのページからアクセス

「ステルス紛争」とは?このページをアクセス。

 「アフリカも世界の一部」運動のメンバー増加にご協力をお願いします。みんなの力で「アフリカも世界の一部」だとメディアに認めてもらいましょう!

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。