アフリカ連合 のアーカイブ

アフリカ首脳会議の爆撃計画

Posted in アフリカの角, アフリカ連合, エリトリア with tags , , , , , , , , , , , , on 8月 31, 2011 by Virgil

アフリカ首脳会議の爆撃計画

 

「アフリカも世界の一部」第43号 

20111月にエチオピアで開かれたアフリカ連合首脳会議の際、それを狙った爆撃計画が発覚した。7月末に発表された国連の報告書によると、それは隣国エリトリアの政府による大型爆弾テロ計画であった。

国連のソマリア・エリトリアのモニタリング・グループの報告書には、容疑者はエリトリア軍による訓練と指示を受けていたと記載されていた。サミット開催中、会場のほか、首脳が宿泊しているホテル付近やエチオピアの首都アディス・アババの最大の市場も爆撃の対象にしていたことを複数の容疑者が認めた。その中の一人によると、狙いはアフリカ各国の首脳を殺害することではなく、敵対関係にあるエチオピアを不安定に陥れることであった。エリトリア政府は関与を完全否定している。

エリトリアは1993年、エチオピアから独立をしたが、貿易、通貨、国境線をめぐり摩擦が増し、1998年から2000年にわたり戦争が起き、10万人以上の死者がでた。和平合意が成立したものの、国境線に関する合意が未だにできていない。紛争後から介入していた国連エチオピア・エリトリア派遣団(UNMEE)は2008年に撤退し、不安定な状況が続いている。2010年にも、国境線付近で衝突が起きている。また、ソマリア紛争において、エチオピアもエリトリアも対立する武装勢力を支援しており、一種の代理紛争となっている。

エリトリアのアフェウェルキ大統領は1993年の独立以来、厳格な独裁政権を守っている。人権問題が蔓延しており、アフリカでジャーナリストがもっとも多く逮捕されている国でもある。多くの国から批判を浴び、孤立状態である。「アフリカの北朝鮮」と呼ばれることもある。ソマリア紛争への関与を理由に、2009年に国連安全保障理事会はエリトリアに経済制裁を課している。

また、現在、アフリカの角と呼ばれている地域全体で起きている飢餓はエリトリアでも大きな問題になっているようである。ところが、エリトリア政府は飢餓の現実を認めておらず、緊急援助の要請もしていない。

日本のメディアはエリトリアを含み、アフリカの角の地域をほとんど取り上げない。また、読売新聞はエチオピアでの爆撃計画を報道するどころか、アフリカ連合の首脳会議が開かれたことすら報道していない。このような出来事を報道するべきではないだろうか?アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「国連の報告書によると、エチオピアで開かれたアフリカ連合首脳会議の爆撃計画にエリトリア政府が関与していました。読売新聞はこのテロ計画を報道するどころか、首脳会議が開かれたことすら報道していません。このような出来事を報道してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 エリトリア政府と爆撃計画に関する記事

 エリトリア政府の情勢と爆撃計画に関する記事

 エリトリアと飢餓に関する記事

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ソマリアの暫定政府

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , on 6月 7, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第39号 

20118月、ソマリアの暫定政府の権限期間は満了する。しかし、8月以降に政府の有り方について合意が得られていない。大統領と議会議長との対立がひとつの要因であると考えられている。国の大半を統治できていない暫定政府と様々な武装勢力との戦いが続いており、これ以上、弱体化を防ぐため、選挙をせずに権限の延長をするべきだという声が国内外からあがっている。

2004年の発足当初から、暫定政府の正統性は疑わしかった。紛争状態のなか、治安問題を考慮し、隣国ケニアで暫定政府が組織された。暫定議会が選ばれ、議会が大統領を選出した。暫定政府は2006年まで、ケニアを拠点としていた。2006年、ついにソマリア入りを果たしたものの、首都モガディシュに入ることができず、260キロ離れたバイドアの穀物倉庫で暫定議会が開かれた。

その後、ソマリア情勢が激しく動いた。イスラム法廷会議という勢力が首都を抑えたが、エチオピアの侵攻によってその勢力が崩壊した。安定を取り戻すためにアフリカ連合(AU)の介入が開始され、現在、約9千人がソマリアに派遣されている。影響力も正統性も乏しいままの暫定政府は、統治する領域を拡大するため、イスラム法廷議会の穏健派と同盟を結び、現在の大統領はイスラム法廷議会の元リーダーである。

62ウガンダで開催された、ソマリアへの支援を協議する国際コンタクト・グループの会議で、AU部隊の半分以上を負担しているウガンダのムセベニ大統領は、暫定政府の任期が延長されなければ、ソマリア情勢が悪化し、ウガンダが部隊を撤退せざるを得ない可能性が高まると発表した。

現在も紛争が続いており、暫定政府及びAU部隊はモガディシュの大部分を取り戻すための攻撃を実施している最中である。しかし、日本のメディアは相変わらず、ソマリアの海賊問題のみを取り上げ、海賊問題出現の背景にある紛争を無視し続けている。朝日新聞は2011年に入ってから、ソマリアの紛争、政治情勢に関する記事をひとつも発表していない。同紙は530日、国際民間シンクタンクが発表した世界平和ランクを記事にし、「最下位はソマリア」と、ソマリア情勢を一言で済ませた。世界平和ランクで最下位の国の紛争に注目するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「世界平和ランクで最下位であるソマリアの政治・軍事情勢は激しく動いています。暫定政府及びアフリカ連合の部隊による様々な武装勢力との戦いが続く中、8月に任期が満了する暫定政府の行方について議論が行われています。朝日新聞はなぜ海賊問題以外のソマリア情勢について報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの政治対立に関する記事

 ガンダの撤退発言に関する記事

 ソマリアの概要 

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ソマリアの干ばつと紛争

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , on 5月 17, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第37号 

ソマリアは現在、壊滅的な干ばつに直面している。20年前の飢餓以来、最大の危機となっている。大半の農作物の収穫時期は7月であるが、雨量が少ないため、不作が懸念されている。国連によると、人口の32パーセントは人道支援を必要としている。しかし現時点では、国連が定めている緊急支援要請金額(2011年分)の36パーセントしか集まっていない。

ソマリアへの緊急支援を妨げるものは無関心だけではない。ソマリアでの紛争が続いており、地域によっては緊急支援物資を届けるのに危険を伴う。また、支援物資が入ったところで武装勢力に流れてしまうことも懸念されている。これまでも、緊急支援の一部が結果的に紛争に貢献していると指摘する者もいる。

1991年、中央政府が崩壊して以来、ソマリアは紛争から抜け出すことができない。1990年代前半、国連PKOや多国籍軍による介入が試みられたが、失敗に終わっている。2006年、イスラム法廷会議という勢力が首都を抑え、一旦、状況が安定したが、イスラム法廷会議を敵視した隣国のエチオピアが軍事介入してきた。それにより、イスラム法廷会議は崩壊したものの、様々な勢力によるエチオピアへの抵抗が激しく、エチオピアも撤退せざるを得なかった。安定を取り戻すため、アフリカ連合(AU)による介入も開始されているが、いまだに紛争は収まらない。

現在、いわゆる「暫定政府」が存在するものの、実際コントロールできているのは首都の半分程度のみである。イスラム法廷会議の崩壊から生まれた過激派のアル・シャバブという武装勢力は、現在も暫定政府やAUの部隊と戦っている。5月に、AUの基地に迫撃砲の攻撃を受け、ブルンジの兵士11人が犠牲になった。また、自分の権力と影響力の確保、拡大を狙う様々なウォーロード(武装勢力を率いる権力者)も活動している。

日本のメディアは紛争のことをほとんど取り上げず、ソマリア沖の海賊問題しか報道しない。干ばつに関する報道もない。例えば、朝日新聞のウェブサイトを見ている限り、2011年に入ってから、ソマリア沖の海賊問題に関する記事はいくつかあっても、ソマリアの紛争、国内の情勢、AUの介入問題などに着目した記事はひとつも掲載されていない。今回の干ばつはさらなる人道的危機をもたらすことが目に見えている。どこまで無視するのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ソマリアの激しい紛争が続いています。また、20年前の飢餓以来、最大の干ばつが発生しています。さらなる人道的危機が予想されます。朝日新聞はなぜ海賊問題しか報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの干ばつに関する記事

 ソマリアと支援問題に関する記事

 ソマリア紛争に関する記事

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コートジボワールの新展開

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コートジボワール with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 3月 20, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第32 

昨年の大統領選挙以降、結果が争われ、いまだ二人の大統領状態が続くコートジボワールでは状況が悪化し、再び紛争に向かっていると懸念されている。

既に、落選したとされながら、大統領の座から降りないバグボ氏を支援する側と、当選したはずのウァッタラ氏を支援する側との間で、国の西部と南部では武装勢力の衝突が発生している。さらに、長年紛争を経験してきた隣国のリベリアからも報酬を求め、戦いなれた戦士が入ってきており、両側についているという報告もある。また、ウァッタラ氏の支援基盤の北部では約1週間、電気も水道も止められ、バグボ側によるいやがらせだとされている。

商業の中心地のアビジャン市でも衝突が続いている。ウァッタラ氏の支持者が多い郊外のアボボは特に被害を受けている。3月3日、女性によるデモに対して発砲があり、少なくとも6人の死亡が確認された。流出された事件の映像にはバグボ氏が率いる「国軍」の姿が捉えられている。現在、アビジャンの30万人を含み、45万人が難民・国内避難民となっている。

これまで仲介の試みがいくつかあったが、問題解決には近づけることができていない。この問題は、アフリカ連合(AU)の平和と安全保障理事会でも議論された。危機発生からアビジャンのホテルに立てこもっていたウァッタラ氏はエチオピア、アディスアベバにあるAU本部でこの議論に参加したが、バグボ氏本人は参加しなかった。また、コートジボワールに駐在している国連PKO(UNOCI)は8千人から1万人に増強されることが決まった。しかし、その後、バグボ氏は国連機による入国を禁じた。

カカオ産業が受けている影響はさらに拡大している。バグボ氏の資金源を阻止するため、ウァッタラ氏はカカオの輸出禁止指令を出した。これに対し、国内では実質的な権力を持つバグボ氏はカカオ産業の国営化を発表した。しかし、諸外国のほとんどがウァッタラ氏を支援しているため、バグボの利益に繋げることは出来ず、大量のカカオが港で溜まり、輸出は考えにくい。しかし、カカオの一部は隣国のガーナに密輸されているとも見られている。世界最大のカカオ生産国であるだけに国際市場への影響が大きく、30年ぶり以上の高値となっている。

これほどの進展があるにもかかわらず、日本のメディアはコートジボワールでの情勢をほとんど報道していない。朝日新聞は今年に入ってから、3月までに、コートジボワールに関する記事が1つしかなかった。3月に入り、やっと報道はあったが全体的に報道量が少ない。この大きな問題をもっと取り上げてもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「二人の大統領状態が続くコートジボワールでの衝突がエスカレートし、問題が悪化しています。女性のデモに対する発砲もありました。また、世界最大のカカオ輸出国家の問題であるため、カカオは30年以上ぶりの高値になっています。朝日新聞は3月に入り、やっと現状を少し報道しましたが、もっと取り上げてもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 コートジボワールの現状に関する記事

 コートジボワールの現状に関する記事2

 カカオ問題に関するニュース(映像)

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東日本巨大地震で被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。

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アフリカ連合の首脳会議

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, アフリカ連合, エジプト, コートジボワール, チュニジア, 選挙, 赤道ギニア, 南部スーダン with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 2月 3, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第28 

2011年1月末、エチオピアの首都アディスアベバでアフリカ連合(AU)の首脳会議が開かれた。政権が倒され、サウジアラビアに逃亡したチュニジアのベンアリ前大統領、そしてチュニジアから飛び火し、大規模のデモの対象で、30年間政権を握ってきたエジプトのムバラク大統領の姿はなかった。

首脳会議では、チュニジア、エジプトの問題も取り上げられたが、他の重大な議題もいくつかあり、予定が大きく変更されることはなかった。特に議論の対象となったのは、二人の大統領状態が続くコートジボワールと南部スーダンの独立に向ける準備といった課題であった。コートジボワールの危機に対して、AUは、アフリカ数カ国の首脳で構成される委員会を立ち上げ、1ヶ月間以内に拘束力のある解決策を打ち出すことを決定した。また、南部スーダンに関しては、AUは住民投票の結果(99パーセント以上の賛成投票で独立が確定した)を歓迎した。

今回の首脳会議で話題を呼んだのは、AUの議長として、赤道ギニアのンゲマ大統領が選ばれたことである。AUの議長は任期1年の象徴的なポストではあるが、ンゲマ大統領は1979年にクーデターで政権をとり、それ以降、独裁政権を築いてきた人物である。国の石油から得た富の大半はンゲマ大統領自身とその身内が握っており、赤道ギニアは深刻な貧困問題を抱え続けている。北アフリカ、コートジボワールなどでの問題から、「民主主義」が注目されているなか、ンゲマ大統領の任命は欧米などで批判の対象となっている。

民主主義といえば、2011年、アフリカでは18カ国が選挙を実施する予定である。ナイジェリアコンゴ民主共和国のような「大国」も、権力を握りしめる大統領を抱えているジンバブエ、エジプト、ウガンダなども含まれる。これからもアフリカから目が離せない状態が続きそうである。

日本のメディアは現在、エジプト情勢の報道に力を入れているが、その火種となったチュニジアで革命が起こる寸前の状況をまったく取り上げようとしなかった。また、デモの様子は注目を浴びるようになったが、その背景、経緯、そして北アフリカ・中東を含む全体像も十分に報道されていない。AU首脳会議の報道も皆無に近い状況である。朝日新聞は首脳会議を取材しなかったようで、ウェブサイトには、時事通信社から入手されたエジプト問題を中心に書かれた2つの短い記事で言及があるのみである。アフリカの各地で多くの重大な出来事が重なるこの時期にアフリカの首脳会議を取材しなくてもよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「2011年1月末、アフリカ連合(AU)の首脳会議が開かれ、日本のメディアでも注目され始めたチュニジア・エジプト問題のみならず、コートジボワールの危機、南部スーダンの独立も議論の対象となりました。朝日新聞はこの首脳会議をなぜ取材しなかったのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 AU首脳会議とアフリカのリーダーたちに関する記事

 AUとコートジボワール危機に関する記事

 AUの議長となったンゲマ大統領に関する記事

 2011年のアフリカでの選挙に関する記事

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西サハラ問題

Posted in 「アフリカも世界の一部」, メディア, モロッコ, 西サハラ, 資源 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 11月 30, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第20 

現在、西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国)領土の3分の2は隣国のモロッコに占領されている。今年11月、国連の仲介のもと、西サハラの将来をめぐる協議が行われたが、その前日には、西サハラ住民とモロッコの治安部隊が激しくぶつかった。住民は悪化している経済状況に抗議をするため「首都」ラアユーン付近に「抗議キャンプ」を設営したが、モロッコはこのキャンプの強制解体に踏み切ったのである。少なくとも11人が死亡した。

1975年、スペインの植民地であった西サハラが独立をしたが、植民地時代以前は自国の領土だと主張したモロッコとモーリタニアは、西サハラに侵略し占領した。この占領に抵抗する武装組織、ポリサリオ戦線ができ、軍事闘争を続けた。ポリサリオ戦線はモーリタニアに対して軍事勝利をしたため、モーリタニアは和平協定を結び、撤退した。しかし、モーリタニアが放棄した領域をモロッコが直ちに占領した。

西サハラの多くの住民はアルジェリアに逃亡し、砂漠の中の難民キャンプに暮らしている。亡命政権もアルジェリアで樹立した。1982年、西サハラはアフリカ統一機構(OAU、現アフリカ連合:AU)に加盟したため、モロッコは脱退に追い込まれ、現在もアフリカ連合の加盟国になっていない。モロッコが占領している領域をポリサリオ戦線から守るため、2500キロにも及ぶ巨大な「砂の壁」を作り、その周りに地雷などを埋めた。これは世界一長い地雷原だと見られている。アメリカ、フランスなどは現在もモロッコの同盟国である。

1991年、国連の仲介で停戦が成立し、西サハラがモロッコ領となるのか、独立国家となるのか、住民投票で決めることになった。ところが、この投票に参加できる「住民」めぐり合意がとれないため、実施されないままである。ポリサリオ戦線はモロッコ占領前の住民のみを登録するべきだと主張しているが、占領後に多くの人を西サハラに移住させたモロッコはこれを拒否している。

モロッコが占領している領域は海岸があり、リン酸塩鉱山も含まれている。2006年、欧州連合(EU)はモロッコと締結した漁業協定には、占領されている西サハラの水域も含まれており、ヨーロッパでは問題視されている。実は、日本が輸入している冷凍タコの7割はモロッコから来ている。当然、占領されている西サハラの水域からのタコもこの中には含まれているはずだが、店頭に並んでいるタコには「モロッコ産」としか表記されていない。

西サハラ問題に関する報道がない日本では、占領・漁業などの現状は問題視されず、議論の対象にもなっていない。例えば、読売新聞は2006年以降、西サハラに関する記事を掲載していない。西サハラの行方に関する次回の協議は12月に行われる予定である。この大きな問題を取り上げるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。なぜ読売新聞?

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「日本が輸入している冷凍タコの7割はモロッコから来ていますが、モロッコが占領している西サハラの水域からのものも含まれています。西サハラが独立するかどうかは現在も議論されていますが、読売新聞は2006年以降、この問題について一度も報道していません。11月、西サハラ住民とモロッコ治安部隊が衝突する事件も発生しています。西サハラ問題をもっと報道するべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

西サハラ問題に関するウエブサイト(日本語)

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 西サハラ問題のまとめ

 「抗議キャンプ」衝突に関する記事

 EUと西サハラの漁業問題に関する記事

イベント紹介:「独立を問う南部スーダン:住民投票のゆくえと人道支援」(12月18日アット東京。詳しくはリンクからアクセス)

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アフリカ待機軍

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 10月 27, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第15 

「アフリカのカラナ共和国の治安が急速に悪化している。ダイヤモンドなどの資源が豊富でありながら統治が不安定な状態が続いている。鉱山を抑えた武装勢力が、ただでさえ問題の多い政府にとって脅威となっている。そこで、アフリカ連合(AU)が介入することになった。」これはシミュレーションのために設定されたストーリーである。実際、カラナという国は存在しないが、先週から、この設定でアフリカの国々の軍隊が平和活動の演習を開始した。

この演習は大きな意味を持っている。長年計画されてきたアフリカ待機軍(African Standby Force, ASF)が今年、機動可能になる予定であり、今回の演習はアフリカ待機軍の能力を試すためのものである。アフリカ待機軍はアフリカ連合の指揮下で、紛争などの危機が発生したところに派遣され、既に機動しているアフリカ連合の平和活動を補強する形もとる。

アフリカ待機軍は5つの地域(北部、西部、中央、東部、南部アフリカ)からの旅団(約5千兵)で構成され、合計2万5千人~3万人に達する予定である。主に、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、南部アフリカ開発共同体(SADC)などの既存の地域組織を通して、準備が進められている。南部アフリカのSADC旅団は2007年に編成された。

しかし、課題は山積みである。アフリカ連合とその加盟国は財源が弱く、各国の軍事力(装備、平和活動に必要な訓練のレベルなど)が全般的に不足している。また、軍用輸送機も不足しており、先進国に頼らざるを得ない状況が続いている。これまで、ダルフールやソマリアでの平和活動でもこのような問題が目立ってきた。また、様々な同盟関係、内政不干渉の傾向といったアフリカ大陸内の国際関係上の問題もあり、アフリカ待機軍の介入には様々な制約がかかってくるであろう。しかし、平和活動のための枠組み・組織化がこのように進んでいることは評価すべきである。

アフリカでのアメリカの軍事関与も気になる。東アフリカ・北アフリカなどはアメリカの「対テロ活動」の対象となっている。また、アメリカは石油が豊富な西アフリカのギニア湾付近に軍事拠点の設置を検討していたが、西アフリカ諸国はこれを受け入れなかった。アフリカ待機軍とアメリカ、フランスなどのアフリカでの軍事活動との関連も視野に入れる必要がある。

一方では、日本のメディアがアフリカを無視し続ける。読売新聞は10月前半、アフリカ53カ国での出来事に対して、記事を3つしか掲載していない。そして、アフリカ待機軍は2003年から計画されているが、読売新聞は記事の中でアフリカ待機軍について触れたのは2007年に一度だけである。今後のアフリカ平和に大きな意味を持つアフリカ待機軍に少し関心を示してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

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(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「読売新聞は10月前半、アフリカ53カ国での出来事に対して、記事を3つしか掲載していません。また、2003年から計画され、今年、機動する予定のアフリカ待機軍について報道をしていません。記事の中でアフリカ待機軍について触れたのは2007年に一度だけです。今後のアフリカ平和に大きな意味を持つアフリカ待機軍に少し関心を示してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アフリカ待機軍に関する分析

 アフリカ待機軍のホームページ

 アフリカ待機軍の演習に関するニュース

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