アメリカ のアーカイブ

アフリカ待機軍

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 10月 27, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第15 

「アフリカのカラナ共和国の治安が急速に悪化している。ダイヤモンドなどの資源が豊富でありながら統治が不安定な状態が続いている。鉱山を抑えた武装勢力が、ただでさえ問題の多い政府にとって脅威となっている。そこで、アフリカ連合(AU)が介入することになった。」これはシミュレーションのために設定されたストーリーである。実際、カラナという国は存在しないが、先週から、この設定でアフリカの国々の軍隊が平和活動の演習を開始した。

この演習は大きな意味を持っている。長年計画されてきたアフリカ待機軍(African Standby Force, ASF)が今年、機動可能になる予定であり、今回の演習はアフリカ待機軍の能力を試すためのものである。アフリカ待機軍はアフリカ連合の指揮下で、紛争などの危機が発生したところに派遣され、既に機動しているアフリカ連合の平和活動を補強する形もとる。

アフリカ待機軍は5つの地域(北部、西部、中央、東部、南部アフリカ)からの旅団(約5千兵)で構成され、合計2万5千人~3万人に達する予定である。主に、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)、南部アフリカ開発共同体(SADC)などの既存の地域組織を通して、準備が進められている。南部アフリカのSADC旅団は2007年に編成された。

しかし、課題は山積みである。アフリカ連合とその加盟国は財源が弱く、各国の軍事力(装備、平和活動に必要な訓練のレベルなど)が全般的に不足している。また、軍用輸送機も不足しており、先進国に頼らざるを得ない状況が続いている。これまで、ダルフールやソマリアでの平和活動でもこのような問題が目立ってきた。また、様々な同盟関係、内政不干渉の傾向といったアフリカ大陸内の国際関係上の問題もあり、アフリカ待機軍の介入には様々な制約がかかってくるであろう。しかし、平和活動のための枠組み・組織化がこのように進んでいることは評価すべきである。

アフリカでのアメリカの軍事関与も気になる。東アフリカ・北アフリカなどはアメリカの「対テロ活動」の対象となっている。また、アメリカは石油が豊富な西アフリカのギニア湾付近に軍事拠点の設置を検討していたが、西アフリカ諸国はこれを受け入れなかった。アフリカ待機軍とアメリカ、フランスなどのアフリカでの軍事活動との関連も視野に入れる必要がある。

一方では、日本のメディアがアフリカを無視し続ける。読売新聞は10月前半、アフリカ53カ国での出来事に対して、記事を3つしか掲載していない。そして、アフリカ待機軍は2003年から計画されているが、読売新聞は記事の中でアフリカ待機軍について触れたのは2007年に一度だけである。今後のアフリカ平和に大きな意味を持つアフリカ待機軍に少し関心を示してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「読売新聞は10月前半、アフリカ53カ国での出来事に対して、記事を3つしか掲載していません。また、2003年から計画され、今年、機動する予定のアフリカ待機軍について報道をしていません。記事の中でアフリカ待機軍について触れたのは2007年に一度だけです。今後のアフリカ平和に大きな意味を持つアフリカ待機軍に少し関心を示してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アフリカ待機軍に関する分析

 アフリカ待機軍のホームページ

 アフリカ待機軍の演習に関するニュース

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不安定が続くギニアビサウ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ギニアビサウ, メディア, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 8月 23, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第6 

南米のコロンビア、ボリビア、ペルーなどでコカインが大量に生産され、様々なルートで消費者となる先進国の住民に密輸される。生産量毎年600トンほどの大産業となっている。カリブ海などのルートでの取り締まりが厳しくなり、近年、西アフリカの国々が代替のルートとして使われている。

小さくて貧しいギニアビサウがその一つである。島の数が多くて、最近までは小さなモーターボートに10人で構成された海軍といった状態で、密輸を阻止することが困難であったのは言うまでもない。さらに、密輸からの利益が高く、国軍の幹部が関わっているとされている。

この問題もあり、政府と国軍との激しい対立が続いている。2009年に軍の参謀長が暗殺され、その翌日、復讐攻撃でヴィエイラ大統領が暗殺された。その後、大統領選挙が行われ、サンャ元国民議会議長が大統領となったが、不安定が続く。

今年の4月に、インジャイ陸軍副参謀長の指令で、首相と陸軍参謀長が拘束され(首相は一時拘束であった)、インジャイが新陸軍参謀長となった。この「ミニ・クーデター」に対して、アメリカが軍事協力プログラムを中止、欧州連合(EU)は治安部門改革のための支援を中止し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)も経済制裁を検討し始めた。

この背景で、8月1日にサンャ大統領は国際社会に平和安定化部隊の派遣を要請した。強力な国軍に対し、大統領の力が及ばず、コントロールが十分に効いていないのが現状である。アフリカ連合(AU)、ECOWASなどが部隊の派遣を検討している。ECOWASは9月にギニアビサウ問題を協議するために緊急集会を開く予定を発表しており、議長を務めるナイジェリアのジョナサン大統領は600人の部隊を派遣する準備があると述べている。

読売新聞はこの問題をどう取り上げているのだろうか。2009年の大統領暗殺と今年4月の「ミニ・クーデター」があった事実を短い記事で報道したが(5年間でギニアビサウに関する記事は3つのみ)、肝心な状況の説明とその背景には何も触れていない。又、4月以降、ギニアビサウに関する記事を記載していない。

この問題は決してギニアビサウだけの問題ではない。西アフリカの全体的な安定もかかっており、そしてグローバルな麻薬の密輸問題とも密接につながっている。報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「西アフリカのギニアビサウで不安定が続きます。政府と国軍の権力争いではありますが、その背景にはグローバルな麻薬の密輸問題があります。ギニアビサウは南米と先進国をつなげるコカイン密輸ルートのハブになっています。読売新聞はなぜこの状況を報道しないのですか?アフリカも世界の一部です。」 

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ギニアビサウと麻薬問題に関するニュース(映像)

 ドナーと麻薬問題についてはこの記事

 ギニアビサウの現状を分析する記事

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Congo Weekに懸ける思い

Posted in コンゴ民主共和国 with tags , , , , , on 10月 2, 2009 by Virgil

Eyes on the Congoからの投稿その1

私は、現在大阪大学グローバルコラボレーションセンター(GLOCOL)で勤務しているが、2005年から2006年の1年間イギリスの大学で国際関係学を学んだ。主にアメリカの外交が世界に与える影響力に関して研究した。一般的に、アメリカの外交の型は4つに大別されると言われている。1.ハミルトニアン:他国との経済的協力を強化がアメリカの国益を増し、国際社会も安定する。2.ウイルソニアン:アメリカは、国際社会に関して倫理的責任を負っているから、アメリカの価値観を世界中に広めるべきだ。3.ジェファソニアン:アメリカは自国内で完結できる国家であるから、他国に干渉すべきでない。4.ジャクソニアン:自国の利益を何よりも優先させるべきで、他国と深く関わりは持たない方が良い。が、戦争を仕掛けられたら最後、勝利意外は考えない。留学中は、この4つの型をアメリカが紛争へ介入した歴史、もしくはイラク戦争など現在の介入をも読み解くのに利用し、当てはめては議論を繰り返した。イラク、ボスニア、パレスチナ、北アイルランド等々。しかし、コンゴ民主共和国(DRC)が議題に上ることはとうとう無かった。

GLOCOLの助教である、Hawkins先生から、「ステルス紛争」というキーワードを教わった。そして私は疑問に思い始めた。上記のような明確な区別で国際関係を論じることに、またアメリカもしくは先進国という国々が持ちうる、いわゆる発展途上国に対する「まなざし」そのものに。「Eye on the Congo」に参加するきっかけとなったのは、卓上の理論でコンゴを語るのではなく、実践でリアルにコンゴの惨状を理解、解決するために行動を起こすべきだと考えたからだ。

最新の報告によると、冷戦終結以来、コンゴ民主共和国(DRC)では540万人以上が、紛争が原因で亡くなっている。それに比べて、日本でも比較的知られているパレスチナとイスラエルの紛争では死亡者数は8千人にとどまっている。[1]また、歴史を振り替えれば、第二次世界大戦での日本人の死亡者数は諸説があるが、310万人といわれている。現在、多くの日本人は、約2~3世代前までさかのぼれば、死亡や行方不明、負傷等戦争で被害を被った肉親がいる確立がかなりあると予想される。しかし、コンゴで今起こっていることは、それ以上の死亡者数を出し、歴史ではなく現状でありながら、国際社会から高い関心を得ることはないままだ。コンゴで産出されているレアメタルは、私たちの生活に深く入り込んでいる可能性が高いにもかかわらずだ。

民主党政権となったアメリカ政府は、遅まきながら、今年8月クリントン国務長官をコンゴ東部に送り込み、コンゴ中央政府カビラ政権へ1千7百万ドルもの支援を決定した。このアメリカからの支援は、アメリカ合衆国自身が体感した「Change」をコンゴで引き起こす機運となるのだろうか。崩壊国家であるコンゴの見せ掛けだけもしくは、紛争の要因でもある中央政府に支援をすること自体に批判の声も挙がっているが、少なくとも今まで以上に「コンゴ」をメディアで目にするきっかけとはなった。コンゴに対する有効な支援のために、国益を計算しながらの国というマスな目線ではなく、コンゴの現状を見据え、問題を把握した上で支援する必要がある。コンゴを支援団体、NGO “Friends of the Congo”のアドバイザーを務めるアリ・M・マラウ氏は、「今のコンゴの崩壊は前例がないレベルに達している。そうした現実を認めない議論は、知性を疑うほかない」と語っている。[2]2000年から2004年の4年間だけで、400万人が紛争で死亡し、誤解を恐れずに言えば、「ただ、死亡している」のは、紛争の一部分であり、インフラは破壊され、反政府軍、政府軍を問わず兵士らによる一般市民への略奪やレイプが横行している。[3]このコンゴの人々の異常を世界に向け発信しようと、私たち「Eyes on the Congo」は、10月18日~24日のコンゴウィークに向けて、始動している。

 


[1] Accessed 21 September, 2009. http://www.glocol.osaka-u.ac.jp/research/090417sasshi.pdf 

[2] Accessed 21 September, 2009.  http://newsweekjapan.jp/stories/world/2009/08/post-433.php

[3] Accessed 21 September, 2009. http://www.foreignpolicy.com/story/cms.php?story_id=4763 

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