イスラム法廷会議 のアーカイブ

ソマリアの暫定政府

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , on 6月 7, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第39号 

20118月、ソマリアの暫定政府の権限期間は満了する。しかし、8月以降に政府の有り方について合意が得られていない。大統領と議会議長との対立がひとつの要因であると考えられている。国の大半を統治できていない暫定政府と様々な武装勢力との戦いが続いており、これ以上、弱体化を防ぐため、選挙をせずに権限の延長をするべきだという声が国内外からあがっている。

2004年の発足当初から、暫定政府の正統性は疑わしかった。紛争状態のなか、治安問題を考慮し、隣国ケニアで暫定政府が組織された。暫定議会が選ばれ、議会が大統領を選出した。暫定政府は2006年まで、ケニアを拠点としていた。2006年、ついにソマリア入りを果たしたものの、首都モガディシュに入ることができず、260キロ離れたバイドアの穀物倉庫で暫定議会が開かれた。

その後、ソマリア情勢が激しく動いた。イスラム法廷会議という勢力が首都を抑えたが、エチオピアの侵攻によってその勢力が崩壊した。安定を取り戻すためにアフリカ連合(AU)の介入が開始され、現在、約9千人がソマリアに派遣されている。影響力も正統性も乏しいままの暫定政府は、統治する領域を拡大するため、イスラム法廷議会の穏健派と同盟を結び、現在の大統領はイスラム法廷議会の元リーダーである。

62ウガンダで開催された、ソマリアへの支援を協議する国際コンタクト・グループの会議で、AU部隊の半分以上を負担しているウガンダのムセベニ大統領は、暫定政府の任期が延長されなければ、ソマリア情勢が悪化し、ウガンダが部隊を撤退せざるを得ない可能性が高まると発表した。

現在も紛争が続いており、暫定政府及びAU部隊はモガディシュの大部分を取り戻すための攻撃を実施している最中である。しかし、日本のメディアは相変わらず、ソマリアの海賊問題のみを取り上げ、海賊問題出現の背景にある紛争を無視し続けている。朝日新聞は2011年に入ってから、ソマリアの紛争、政治情勢に関する記事をひとつも発表していない。同紙は530日、国際民間シンクタンクが発表した世界平和ランクを記事にし、「最下位はソマリア」と、ソマリア情勢を一言で済ませた。世界平和ランクで最下位の国の紛争に注目するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「世界平和ランクで最下位であるソマリアの政治・軍事情勢は激しく動いています。暫定政府及びアフリカ連合の部隊による様々な武装勢力との戦いが続く中、8月に任期が満了する暫定政府の行方について議論が行われています。朝日新聞はなぜ海賊問題以外のソマリア情勢について報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの政治対立に関する記事

 ガンダの撤退発言に関する記事

 ソマリアの概要 

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ソマリアの干ばつと紛争

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , on 5月 17, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第37号 

ソマリアは現在、壊滅的な干ばつに直面している。20年前の飢餓以来、最大の危機となっている。大半の農作物の収穫時期は7月であるが、雨量が少ないため、不作が懸念されている。国連によると、人口の32パーセントは人道支援を必要としている。しかし現時点では、国連が定めている緊急支援要請金額(2011年分)の36パーセントしか集まっていない。

ソマリアへの緊急支援を妨げるものは無関心だけではない。ソマリアでの紛争が続いており、地域によっては緊急支援物資を届けるのに危険を伴う。また、支援物資が入ったところで武装勢力に流れてしまうことも懸念されている。これまでも、緊急支援の一部が結果的に紛争に貢献していると指摘する者もいる。

1991年、中央政府が崩壊して以来、ソマリアは紛争から抜け出すことができない。1990年代前半、国連PKOや多国籍軍による介入が試みられたが、失敗に終わっている。2006年、イスラム法廷会議という勢力が首都を抑え、一旦、状況が安定したが、イスラム法廷会議を敵視した隣国のエチオピアが軍事介入してきた。それにより、イスラム法廷会議は崩壊したものの、様々な勢力によるエチオピアへの抵抗が激しく、エチオピアも撤退せざるを得なかった。安定を取り戻すため、アフリカ連合(AU)による介入も開始されているが、いまだに紛争は収まらない。

現在、いわゆる「暫定政府」が存在するものの、実際コントロールできているのは首都の半分程度のみである。イスラム法廷会議の崩壊から生まれた過激派のアル・シャバブという武装勢力は、現在も暫定政府やAUの部隊と戦っている。5月に、AUの基地に迫撃砲の攻撃を受け、ブルンジの兵士11人が犠牲になった。また、自分の権力と影響力の確保、拡大を狙う様々なウォーロード(武装勢力を率いる権力者)も活動している。

日本のメディアは紛争のことをほとんど取り上げず、ソマリア沖の海賊問題しか報道しない。干ばつに関する報道もない。例えば、朝日新聞のウェブサイトを見ている限り、2011年に入ってから、ソマリア沖の海賊問題に関する記事はいくつかあっても、ソマリアの紛争、国内の情勢、AUの介入問題などに着目した記事はひとつも掲載されていない。今回の干ばつはさらなる人道的危機をもたらすことが目に見えている。どこまで無視するのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ソマリアの激しい紛争が続いています。また、20年前の飢餓以来、最大の干ばつが発生しています。さらなる人道的危機が予想されます。朝日新聞はなぜ海賊問題しか報道しないのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアの干ばつに関する記事

 ソマリアと支援問題に関する記事

 ソマリア紛争に関する記事

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ソマリア紛争の進展

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ソマリア, 報道量 with tags , , , , , , , , , on 9月 2, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第7

8月22日からソマリアの過激派武装勢力、アル・シャバブ(アル・カーイダともつながっている組織)が首都モガディシオで同国の暫定政府に攻撃を仕掛けてきている。そして24日に暫定政府関係者が多く泊っていたホテルを攻撃し、6人の暫定政府の国会議員を含む32人が殺された。

アル・シャバブは暫定政府を支えてきた国外勢力(アフリカ連合ソマリア・ミッション、AMISOM)に対しても、「大規模戦争」を開始すると宣言しており、AMISOMは部隊の増力が始まったばかりであった。

ソマリアは約20年間、事実上の無政府状態が続いている。2004年に暫定政府ができたものの、統治能力は首都の一部にしか及ばず、又、暫定政府そのものが国外から課されたものという印象が強く、正統性を欠いている。これまでに様々な武装勢力間の権力争いが続いてきた。

2006年にイスラム法廷会議という組織が首都の武装勢力を抑え、15年ぶりに、一種の「安定」がソマリアに訪れた。しかしその半年後、アメリカの支援を受けた隣国エチオピアは、イスラム法廷会議の中の過激派を恐れソマリアに侵攻し、イスラム法廷会議を制圧して首都を侵略した。ところが、イスラム法廷会議の崩壊から生まれた過激派のアル・シャバブなどがエチオピア軍の占領に対して激しく抵抗し、その2年後にはエチオピア軍が撤退した。アル・シャバブは残った暫定政府とそれを支えるAMISOMと戦いを続けた。

8月から始まったアル・シャバブの攻撃は果たして、「大規模戦争」の始まりなのだろうか。アル・シャバブはウガンダでもテロ攻撃をしているが、ソマリアの暫定政府とAMISOMを抑圧するほどの軍事力はなく、上記のような奇襲攻撃、テロ攻撃が続くと、専門家が見ている。

日本のメディアは最近、ソマリア紛争が原因で発生している海賊問題に関心を示しているが、なぜか肝心なソマリア紛争の実態を取り上げようとしない。読売新聞は海賊問題に関する記事は多いが、紛争に関する記事がほとんどない。24日のアル・シャバブの攻撃のことを「過激派自爆テロ」として一つの短い記事を記載したが、その文脈からは紛争の現状と背景が見えてこない。 

海賊問題が示すように、日本とアフリカの紛争を切り離すことができないものは少なくない。ソマリア紛争そのものに注目せずに、海賊問題に対する理解も改善策も生まれない。紛争のことも報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ソマリア紛争は激化しています。過激派武装勢力アル・シャバブが暫定政府とアフリカ連合ソマリア・ミッションに対して攻撃を増やしています。しかし、読売新聞はこの紛争が原因で発生している海賊問題を報道しているものの、紛争をほとんど取り上げていません。ソマリア紛争に注目せずに、海賊問題に対する理解も改善策も生まれません。紛争のことも報道するべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 ソマリアでの戦闘に関するニュース(映像)

 ソマリア紛争の進展の分析

 アル・シャバブに関する記事

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