ウィキリークス のアーカイブ

揺れるチュニジア

Posted in 「アフリカも世界の一部」, チュニジア with tags , , , , , , , , , , , , , , on 1月 12, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第25 

2010年の年末から、北アフリカのチュニジアでは、異例のデモが繰り広げられている。それは、ある26歳の男性の焼身自殺から始まった。モハメッド・ボアジジ氏は大学を卒業したものの就職できず、路上で野菜などを売っていたが、無免許の商売であったため、警察が商品を没収した。生計をたてられず、抗議として、焼身自殺を図った。

この行為を機に、同じようなフラストレーションと怒りを持った多くの若者が立ち上がり、食品の値上がりや悪化している失業状況に対して抗議デモが全国で繰り返されるようになった。何箇所かでデモが暴動化し、治安部隊の発砲などにより少なくとも20人が死亡したと報道された。また、同じような問題を抱える隣国のアルジェリアにもデモが飛び火している。

多くの国では、市民によるデモは決して珍しいものではないが、権威主義国家となっているチュニジアではほとんど見られないことである。チュニジアは深刻な人権問題や汚職問題を抱えており、政府は野党や政権を批判するメディア、市民運動などを極力制圧してきた。アメリカの外交公電(ウィキリークスに公開されたもの)では、チュニジアは「警察国家」だとされている。選挙を定期的に実施するものの、1987年から大統領を務めるベン・アリ氏は選挙があるたびに、約9割の票を獲得してきている。

これまで市民は、逮捕、拷問などを恐れ立ち上がることはなかったが、経済状況があまりにも悪化したため、多くの人の中で怒りが恐怖を上回ったのではないかと見られている。政府は様々な手を使ってデモを抑えようとしている。政府につながっているとみられるハッカーがジャーナリスト、ブロガーなどのメール(グーグルやヤフー)やSNS(フェースブック)アカウントに侵入し、アカウントやデモの写真などを削除している。また、政権を批判する歌を作曲したラップ歌手は一時拘束された。

チュニジアが情報をコントロールしていることもあり、海外のメディアにはこの出来事に関する報道は比較的に少ない。アメリカがテロ対策の一環として現政権に軍事支援をしてきたこともメディアが大きく取り上げない理由のひとつであろう。

日本のメディアはチュニジア情勢をほとんど取り上げていない。例えば、デモ開始以降、朝日新聞は短い記事で一度しか報道していない。20年以上続いたチュニジアの現政権の存在そのものを揺らがすこの出来事を無視してもよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「2010年年末から、北アフリカのチュニジアでは食品の値上がりや失業問題をめぐり、異例のデモが全国で繰り広げられています。デモが隣国のアルジェリアにも飛び火しています。しかし、朝日新聞はこの状況を一度しか報道していません。20年以上続いたチュニジアの現政権の存在そのものを揺らがすこの出来事を無視してもよいのでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

過去の記事に関する最新情報:

1月9日より、南部スーダンの行方をめぐる住民投票が開始され、順調に進んでいる。南部スーダンの住民は新国家としての独立を選ぶと思われている。

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 揺れるチュニジアに関する分析

 デモに関するニュース(映像)

 ハッカーとデモに関する記事

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南部スーダンと戦車と海賊

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ケニア, スーダン, ソマリア with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 12月 23, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第23 

2008年、ケニアに向かっていたウクライナの貨物船がアデン湾でソマリアからの海賊に乗っ取られた。その船には32台の戦車を含む多くの武器が積まれており、大きな話題を呼んだ。これらの武器の最終目的地は南部スーダンだと海賊は船内にあった書類からわかったと発表したが、ウクライナもケニアもこれを否定し、ケニア軍のためのものだと主張した。武器は紛争中のソマリアに流用されるのではないかという懸念もあったが、結局、身代金が支払われ、解放された貨物船はケニアのモンバサ港に到着した。

ところが、今月、内部告発サイトのウィキリークスが流出したアメリカの外交公電によると、海賊が主張した通り、その武器は南部スーダンが注文したものであった。それ以前にもウクライナから南部スーダンに武器が届けられていたことも判明した。アメリカ政府はこの取引を知りながら、黙認していた。

以前の記事(第13号)で伝えたように、長年続いたスーダンの南北紛争は2005年に終わったものの、2011年1月9日に行われる住民投票をめぐり、緊迫した状態が続く。今月、北部スーダン政府は南部との境界線付近に空爆を数回行っている。南部スーダンは軍備強化を進め、それも緊張感を高めている。

1月に実施される住民投票は、南部スーダンが新しい国家として独立するのか、スーダンの一部として残るのかを決めるためのものである。南部スーダンの住民は独立を選ぶことがほぼ確実だとみられている。南部を代表する政党であるスーダン人民解放運動(SPLM)も独立を支持することを正式に表明している。

しかし、北部の政府は統一を強く望んでいる。南部の独立によって、国の大きな一部を失うのみならず、北部の政府は多額の石油収入も失う。住民投票までにスーダンの北部と南部の間には、石油収入の配分や最終的な境界線など、合意を得なければいけない重要な課題がいまだに残っている。何としても独立を防ごうとしている北部政府は、南部が統一を選べば石油利益をすべて譲るとまで発表した。

また、特別扱いされている石油が豊富なアビエ州の問題も残っている。南部スーダンが独立を選べば、アビエ州は南部の一部となるのか、北部に残るのか、同じ1月9日に住民投票で決める予定であったが、実施の内容について合意ができず、決定は先送りされた。

他のアフリカの問題に比べると、スーダンは比較的、日本の新聞に注目されているが、それでも報道は少ない。新しい国が生まれることになるのか、大きな紛争が再発する恐れもある歴史的な時期だが、12月に朝日新聞が掲載したスーダンに関する記事は2つにとどまっている。もっと報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「南部スーダンは緊迫した状況で、歴史的な住民投票の実施に向けて準備が進められています。新しい国が生まれるのか、大きな紛争が再発するのか注目すべき時期です。南部スーダンの情勢をもっと報道してください。アフリカも世界の一部です。」

過去の記事に関する最新情報:

*  コートジボワールでは二人の大統領の状況が続く。落選したとみられるバグボ氏は実質上、国を支配しており、当選したとみられるウアッタラ氏は国連PKOに守られながら、ホテルにこもっている。バグボ氏の支配に対する暴動で少なくとも50人が死亡している。

*  ナイジェリアの汚職事件に関与していたとみられていたアメリカのチェイニー前大統領の事件で、ナイジェリアは起訴状を取り消すことにした。その代わり、チェイニー氏がCEOを務めていたハリバートン社は多額の罰金を支払うことになった。

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 南部スーダンと戦車の事件に関する記事

 南部の石油配分に関する記事

 住民投票に関する分析

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ウィキリークスとナイジェリア

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ナイジェリア, 資源 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 12月 14, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第22 

内部告発サイト、「ウィキリークス」はアメリカの国務省の外交公電約25万点をアメリカ政府内の告発者から受け、現在、公開し続けている。その中、アフリカに関する外交公電は少なくない。これからも流出されるだろうが、今の時点で最も興味深いのはナイジェリアに関するものであろう。

ナイジェリアのアメリカ大使館から送信されたある外交公電には、アメリカの外交官とアフリカに点在するシェル石油会社の責任者、アン・ピカードとの会談の様子が書かれていた。ピカード氏によると、シェルはナイジェリアの主要な省庁に職員を潜入させており、内部情報にアクセスしていると述べた。言い換えれば、ナイジェリア政府に対するシェルの「スパイ活動」が暴かれた。

アフリカ大陸の人口の6分の1も占めるナイジェリアは石油大国である。輸出量は世界8位となっている。しかし、石油からの富の大半はシェルのような多国籍企業と腐敗した政府関係者に吸収されるため、経済成長が遅く、住民の貧困は深刻な問題である。さらに、石油が採れるニジェール・デルタでは石油流出が頻繁に起こり、環境汚染も深刻な問題となっている。

上記の問題が原因となり、1990年代から抗議運動や反政府勢力が現れた。これに対し、ナイジェリアの独裁政権の抑圧があり、1995年に執筆者で活動家のケンサロ・ウィワは逮捕、処刑された。この事件も含めて、シェルは政府による抑圧・人権侵害に関与していたとされる。反政府勢力は石油施設に攻撃をかけたり、パイプラインから石油を盗んだりを繰り返した。そのため、ナイジェリアの石油輸出量が20パーセント減少し、世界の石油価格にも影響してきた。近年、いくつかの反政府勢力グループは政府と和平合意を結んでいるが、部分的に紛争は続いている。

ナイジェリアで行動が問題視されている多国籍企業はシェルだけではない。天然ガスの施設をめぐり、アメリカのハリバートン社は1990年代からナイジェリア政府関係者に賄賂を贈ってきたとされ、今年12月、ナイジェリア政府は当時のハリバートンのCEOであったアメリカのチェイニー前副大統領を起訴する手続きを取り始めた。また、ウィキリークスが公開した別の外交公電には、大手の製薬会社のファイザーとナイジェリア政府とのトラブルに関する新しい事実が含まれている。

日本のメディアは今回のシェルの「スパイ活動」のことを報道していない。ナイジェリアは少なくとも西アフリカに大きな影響力を持つ大国であり、ナイジェリア情勢が世界の石油価格に深く影響している。にも関わらず、ナイジェリアに関する報道は少ない。例えば、今年は上記の問題以外にも、大統領が病死し、新大統領の就任、首都に爆破テロ事件の発生などの大きな出来事がいくつもあったが、朝日新聞は、ナイジェリア情勢について詳しく触れていない。この地域をもっと取り上げるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ナイジェリアはアフリカ最大の人口を抱える大国であり、石油輸出大国でもあります。しかしその石油をめぐり、武力紛争、環境破壊が発生しています。内部告発サイトのウィキリークスが公開した外交公電にはそのナイジェリアでの石油会社の疑わしい行動が描かれています。この状況を報道してください。アフリカも世界の一部です。」

イベント紹介:「独立を問う南部スーダン:住民投票のゆくえと人道支援」(12月18日アット東京。詳しくはリンクからアクセス)

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 シェル「潜入」の外交公電に関する記事

 チェイニー氏の汚職問題に関する記事

 ファイザー問題に関する記事

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