報道 のアーカイブ

メディアに映し出されない世界最大の紛争

Posted in アフリカ, コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , , , on 11月 17, 2014 by Virgil

Håkan Lindgren(著)
Svenska Dagbladet紙(スウェーデン)、2013-01-22
遠藤美紀(訳)

西洋社会のメディアが描く「世界の不安材料」の絵、は現実とは一致していない。
今日続いている紛争のうち、どれが群を抜いて大きいかを答えられる人は少ない。一方、多くの人はイスラエルとパレスチナ間が最も死者数の多い紛争地帯と思っているが、それは誤りだ。

外国に対するメディアの監視について、筆者がこれまで読んだもっとも鋭い批判は、ほとんど世に知られていない。それは、2008年に出版された、ヴァージル・ホーキンスによる学術書「ステルス紛争」である。注目を集めない戦争に関する本書がそれ自体、レーダーにひっかからないできたことは、もちろん理にかなっていると言えよう。
筆者はこの本を読んで以来、日刊紙の国際面が奇妙に感じ始めた。どの形容詞も、本当には的に得ていないような(おそらくこれは一過性の効果で、心配することではないであろう)。

我々は、情報過多のストレスについて不平を言うが、ネット社会について繰り返し我々がこぼす不平は、実際は一種の自己賛美である。情報がまるで洪水みたいだ!消化できないほどの情報量だ!筆者は毎朝、朝刊の記事の中では、漫画の「ロッキー」以外はすべて、ただ自己防衛本能のために選定せざるを得ない。でないと溺れてしまうことだろう。しかし、ホーキンスにとっての問題は別物である。「我々はこれまでになかったほどの限りない量の情報へのアクセスを有していると言われているが、世界中で起こっている紛争について、我々が求めて得る情報は、比率においても、そして論調においてもとても歪んでいて、現実世界とはほとんどなにも共通するものがない。」

「50年以上において、世界で起こっている最も死者数が多い紛争、9か国からの兵を巻き込んでいる紛争、西ヨーロッパほどの広大さの戦場を抱え、結果として500万人以上の死者を出しながら、周りの世の中が何の気にもかけない紛争がある」とホーキンスは続ける。彼が言っているのはどの紛争か想像できる人はいるだろうか?筆者にはわからなかった。

その答えは、コンゴ民主共和国(隣国のコンゴ共和国-コンゴ・レオポルドビル、と区別するために、しばしばコンゴ-キンシャサと呼ばれる)の紛争である。ルワンダに先導された侵入により1998年に始まり、いまだに続いている。その死者総数の大きさで、コンゴの戦争は第二次世界大戦以降の、最も大きな戦争2つののうちの1つとなっている ― ちなみにもう1つは、おそらく誰かはベトナム戦争と考えるだろうが、そうではなく、朝鮮戦争である(前者の死者数は300万人、後者は450~700万人)。犠牲者のほとんどは、軍の暴力ではなく、病気や飢えによって亡くなっている。つまり、戦争に起因する人道的大惨事によるものなのである。ただこれらの数字には、筆者がウプサラ紛争調査データベースのプロジェクトマネジャー、スティーナ・ヒューグブラードに確認した時には、より慎重な回答が返ってきた。ヒューグブラードが挙げたコンゴでの死者数は300~500万人、これは国際救援委員会による推定に基づいた数字である。

コンゴ民主共和国国軍(Photo: MONUSCO)

著書のはじめに、ホーキンスは一度見ると忘れられない表を記している。死者数によってランク付けした近年の戦争と紛争。それは、我々が新聞の国際面で慣れ親しんでいる世界とはまた違った世界を表している。群を抜いて大きいのはコンゴでの戦争なのである。続いて、スーダン、アンゴラ、ルワンダ、アフガニスタン、ソマリア、そしてイラクである。最下位は(ホーキンスがそこでランク付けを終えているのはもちろん偶然ではないのだが)イスラエル-パレスチナである。イスラエル-パレスチナよりも大きいのは、とりわけ、カシミール、コロンビア、スリランカ、フィリピン、タジキスタン、ペルー、ミャンマーそしてネパールの戦争である。これらについて我々はどれだけ読む機会が与えられているだろうか?

数年前、筆者はあるフリーランスのジャーナリストに会った。筆者に、新聞に載ることのないニュースがたくさんあることを説明してくれた。興味深いですね、例を挙げてみていただけますか?と筆者。すぐさま、パレスチナ!という返事だった。

世界中の紛争のなかでも、イスラエル-パレスチナの紛争は特殊で特権階級的な位置を占めているとホーキンスは述べている。これほど詳細にわたって、継続的に注視されているものは他にない。イスラエル-パレスチナがアフリカ全土よりも注目を浴びることは稀ではない。それでも誰も満足しない。記事になるたびにそれに対する反発が生まれる - 視点が偏っていて不公平だ、自身が心情を共にしない側の方が優位に働くようにするものだ、と。我々の偽りの報道世界では、イスラエル-パレスチナはアメリカのように1つの大陸で、地球上の残りの部分は一種の添え物で、紙面を満たすために必要に応じて、そこから記事がピックアップされるのである。

ホーキンスは新聞などの記事の統計をとっている。それによると、コンゴでの戦争では最初の2年間に約180万人が亡くなったのだが、その間ニューヨーク・タイムズ紙は(同時期の死亡者が2000人の)イスラエル-パレスチナについて、コンゴについてよりも11倍多くの記事を載せ、CNNは53倍多くのニュースを流しているのだ。

このバランスの悪さは人々が世界に対する認識を形成する際に貢献している。2003年に行われた、オーストラリアの大学生へのある世論調査では、彼らが、イスラエル-パレスチナ紛争が世界で最も犠牲者の多い紛争だと思っていることが示された。彼らの半数以上が、この紛争が解決を最も要する紛争だと思う、と回答している。パレスチナに対するこの強いフォーカスと共に存在しているのは特に、アラブ諸国移り住んでいる約450万人のパレスチナ人に対する、メディアの完全な無関心さだ。彼らは、場合によっては1948年から住んでいるのにもかかわらず、そこで正当な住民としての権利を拒否されているというのに。

なぜ、紛争によっては人目に映らないものがあるのだろうか。ホーキンスは、政府やメディア、国際協力機関などの関係者がみな、1つの同じボールを追うことを好むことを言及している。救援組織の使命は、他のすべてからは見捨てられた人々を救うことであるが、実際のところは、無名の、または忘れ去られた紛争のために組織の資源を無駄に使いたくないのだとホーキンスは述べている。コソボでは、1998年から1999年に亡くなったのは2000人だが、1999年に得た援助金は、紛争にさらされたアフリカ全土の地域へのそれよりも多いものだった。また、国際赤十字委員会は、イスラエルとその占領領域に、コンゴへの援助の2倍を与えている。

ホーキンスによると、メディアは自身に課された二重の使命に失敗したという。現実を映し出し、信頼に足る鏡としての機能としても、他の関係者に対する番犬としても。第二次世界大戦後に世界の紛争に関連した死者数の88%はアフリカで起こったもので、アジア6%、中東4%だが、メディアによるニュースとしての価値付けはまったく正反対である。我々はメディアが、政治家に行動を促す火炎放射器のようなものだと考えたがる。しかし1990年代初頭のソマリア紛争に関しては、国による組織であるアメリカの海外災害援助室が警報を鳴らしてから初めて、メディアは何が起こっているかを発見して、それに追随したのだった。

ホーキンスは現在大阪大学国際公共政策研究科の准教授で、この著書の大部分は、日本の援助団体のAMDAで勤務していた際に、ザンビアで書かれたものである。ニュースにおいて、アフリカがいかに偏見を抱かれ、なおざりに扱われているか、彼の失望振りは本書ではっきりと見てとれる。コンゴに対するメディアの監視力は、100年前のほうが実によかったという。当時は、エドモンド・モレルが、ベルギーの植民地であったコンゴでの奴隷制について注目に値すべき運動を行った時代である。

メディアによる影、それはアフリカが地理的に遠いからであろうか?ホーキンスが反論するところでは、あらゆる紛争は、国際的に影響が及ぶ結果をもたらすものだという。国連によると、紛争の間、20カ国以上の企業がコンゴからの自然物資の不法取引に関与していた。つまり、それほどアフリカは遠くない、ということだ。また、その上、武器産業が世界の国々がより強く結びつくのに貢献している。たとえば12月12日、スヴェンスカ・ダーグブラーデット紙のバッティル・リントナーはミャンマーにてスウェーデン製の無反動砲を発見している。

コンゴにて活動するのはもしかしたら危険すぎるのであろうか。いや、かの地へ赴くのが危険だからといって紛争のどれかをメディアが取り上げないというのは、説明として値しない、とホーキンスは述べている。その意思さえあれば、彼らはどこへでも赴き、経費に糸目はつけないものだと。侵入後の数年、イラクでは他の地でよりも多くのジャーナリストが殺されたが、そのことが当地からの報道を妨げることはなかったのである。

間違いはただ、ニュースのゆがんだ価値基準にある、とホーキンスは言う。はっきりと見分けがつく「良い側」がいない紛争には、メディアは興味をなくすものだ。そうなると、メディアは手を抜いて、古臭い民族対立やカオス状態の暴力について話し始める。ホーキンスは、ルワンダの市民虐殺はカオス状態ではなかった、と主張する。80万もの人が、ある一定の計画もなく100日で殺されるわけがないと。

世界の紛争を理解するには、歴史や政治、経済がいつも変わらず関係している、が、メディアはそれよりも、文化的アイデンティティーや民族的属性に一層、ニュースの媒体のなかで、過度な役割を与えるようになっているとホーキンスは著書で述べている。アイデンティティーに基づいた紛争が自然なものであることは暗黙の了解にある。避けることができず、おそらく解決ができず、おそらく他者には把握しがたい。そのためつまり、他者にそれを問題視しないで、安穏としてすませられるものなのだ。そうではなく、アフリカにおける「民族的」紛争について、ホーキンスが望むのはむしろ、それが組織犯罪として記されることだ。「アフリカの紛争を起こしている『文化』はシチリアのマフィアのそれと似ている〔…〕アフリカで戦闘を行っている分派は「族」としてではなく犯罪ビジネス組織として理解されるべきだ」と。

テロとの戦いについてメディアが費やしてきたボリュームすべてを考慮すると、テロが劇的に増えたと考えるのは難しくない。しかしそのような増加は見て取ることができない、とホーキンスは言う。テロの攻撃は、90年代よりは多いとはいえ、80年代よりも低く、増加は主にイラクや中東、南アジアの出来事によるものなのである。世界のその他でのテロの攻撃は「第二次世界大戦以後目を見張るほど減少している」。ホーキンスがもっと懸念しているのは明らかに「グローバル軍閥主義」の台頭である。―地方軍閥のリーダーが略奪や買収で財を成すことが、拡大しつつある問題として、今の時代の特徴となっている。

テロを議論するときは、米国の陸軍士官学校、ウェストポイントにおける研究について語るときでもあろう。2009年の研究 「Deadly vanguards(死の最前線)」はわれわれの時代のイスラムによるテロを念頭においている。この研究をしたスコット・ヘルフェンシュタイン、ナサール・アブドゥラ、ムハンマド・アル-オバイディは2004年から2008年までのテロの攻撃について調査した。彼らの統計から描かれたのは、主としてムスリムを殺害する組織の絵図だった。調査対象年の死者数の88%は非西洋人で、ほとんどがイラクの人々であった。「アルカイダの暴力の対象は、彼らが『戦う』と主張する西側権力ではなく、おそらくもっとも、彼らが『保護している』と主張するところのムスリムの人々なのである。」と3人は述べている。彼らの研究を読んだ後では、アルカイダはもはや西側を攻撃するもの、―または、西側の帝国へ対抗するものーとは思えなくなるのである。

我々が享受するメディアは、今後、増えるのであろうか、減るのであろうか。我々とメディアの間のパイプラインはかつてないほど太い、が、洪水のような情報は、人々がそれを詳細にわたるまで注視することを怠ると、その内容はむしろ減っていくように思える。それについては、2010年に ジョナサン・ストレイが「ニーマン・ジャーナリズム・ラボ」i に寄せた寄稿が考え深い。ストレイが同一のニュースについて800本のインターネット記事を調査したところ、121本の記事以外はすべて同一だったのだ。何らかの自身の言及をした記事は13本、自身の報道による作業を主体としたものはたったの7本(0.9%)。他のものは、編集にまわす事なく、お互いの記事を書き写しあったジャーナリストに作成されたものだ。

新聞社は繰り返し、質と内容の掘り下げに力を入れることで生き残る、と言っている、が、その判断力を失うには、イタリアの沖合で1隻の豪華客船が転覆するだけで十分なのである。数日間にもわたって、たかだかひとつの通知にしか値しないことに全ページ費やすのだから。それとももしかしたら吹雪がまたやってきているのだろうか?そうすれば、編集部はまたゆっくりと構えて、ヘッドラインニュースに天気をもってくることができる。2012年2月9日にダーゲンス・ニィーヘーテル紙iiのベーラング・ベージョーが書いたように、気象はスウェーデンの新聞各紙にとって最大のニュースとなろうとしている。

メディアの洪水の中で、真の情報が欠落していることを理由に、人々が「あまり知らないので、意見などない」と言う、ということにはならないであろう。人々がそれほど哲学的な心境になることはそうそうない。そうではなく、何が起こるか想像するのは簡単だ。情報が空いたところには即座に、独断、偏見、うわさと陰謀説がその穴を埋める。我々は自らますます愚かになろうとしている。未来の紛争は明らかに予兆されているのである。

i 訳者注 ハーバード大学で立ち上がったジャーナリズムの将来像を研究するプロジェクト。ブログでデータジャーナリズムなどに関する掲載されている。

ii スウェーデンの最大日刊紙。

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NHKニュースとアフリカ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, メディア with tags , , , , , , , , , on 5月 14, 2012 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第50号 

国際ニュースが非常に乏しい日本のマスコミのなかで、世界の出来事の報道に最も力を入れているのは日本放送協会(NHK)である。とはいえ、NHKにおいても国際ニュースの優先順位は低い。例えば、平日の夜9時に1時間ほど放送されている「ニュースウォッチ9」に対して調査を行ったところ(20121月~3月)、国際ニュースは全体のわずか7%だった。

その内容の大半が、日本と直接関わる「アメリカ」と「北朝鮮」のニュースであった。このようなニュースももちろん重要ではあるが、グローバル化が進む現代において、世界との密接なつながりは見えてこない。より広い意味で「世界はどうなっている?」という純粋な問いも重要であり、答えることがマスコミの義務ではないだろうか。

では、アフリカの扱いはどうなっているのだろうか。調査の対象となった「ニュースウォッチ9」の3ヶ月分では、アフリカで唯一登場したのがエジプトであった。現政権に対するデモが3回ほど短く報じられ、合計2分間が与えられた。これは報道された国際ニュースの0.7%に値する

この3ヶ月、アフリカ大陸において他に報道するべきものがなかったわけではない。武力紛争では、南北スーダン紛争が激化、ソマリアでも紛争の進展があり、そしてナイジェリアでテロ爆弾、マリでクーデタが起こった。NHKでは他のニュース番組で部分的報道されることはあったものの、重要なニュースをまとめ分析する「ニュースウォッチ9」で取り上げられることは一度もなかった。

またNHKの海外支局の配置も上記のような優先順位を物語っている。29の海外支局のうち、アフリカにある支局は「アフリカ」より「中東」に近いエジプトの首都カイロのみである。

国際ニュースの量が最も多いNHKの番組は、衛星放送(BS1)のワールドWAVEという番組である。23の「世界の放送局」からニュースをかき集め、放送している。しかし、これはアフリカと南極以外の「世界」であり、アフリカの放送局はまるで存在しないかのようだ。

娯楽が中心の民放に比べ、ある程度世界に目を向けているNHKにとっても、アフリカ大陸のニュース価値は極めて低いようだ。世界最大の国家数(世界の4分の1)で構成され、世界最大の武力紛争のほとんどを抱えているアフリカ。その出来事に目を向けてもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、NHKにこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

20121月~3月までの3ヶ月間、番組「ニュースウォッチ9」では、アフリカ大陸について報じられたニュースはエジプトのみで、合計わずか2分間でした。アフリカの出来事も報道してください。アフリカも世界の一部です。」

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アンゴラでデモ

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アンゴラ, 選挙 with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 12月 9, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第48号 

北アフリカ・中東での民主化運動はサハラ以南のアフリカにも影響し続けている。12月、南部アフリカのアンゴラでは、32年間続いているドス・サントス政権に対するデモが開かれたが、直ちに警察に抑えられ、デモの参加者は逮捕された。

他の多くの国ではこのような数百人規模のデモはそれほど注目に値しないが、政権に対する批判が許されないアンゴラではこのような動きは大きな意味を持っている。20112月以降、このようなデモが数回起きている。デモが実施された首都ルアンダの広場はエジプト革命の舞台となった広場の名を借り、「我々のタハリール広場」と呼ばれるようにもなっている。

1975年、独立戦争を経てポルトガルから独立したアンゴラは、冷戦の大国闘争に巻き込まれ紛争が続いた。冷戦の終結とともにアンゴラの紛争も一旦終わったものの、反政府勢力のUNITAは終戦後に実施された選挙(1992年)での落選を受け入れず、紛争が再発した。しかし、2000年代に入ってUNITAの勢力が衰退し、2002年にそのリーダーが戦死したことをきっかけに、ようやくアンゴラでの紛争が終わった。

しかし、平和が訪れても大統領選挙が実施されることはなかった。約束された選挙は数回延期され、現時点では、2012年(20年ぶり)に予定されている。今のところ、エジプトのような革命・政権交代は考えにくい。2008年に実施された国会議員選挙では、野党が封じ込まれ、与党のMPLA81パーセントの議席を獲得した。2012年の選挙では、ドス・サントス現大統領の再選は確実だと見られている。しかし、71才になる大統領はいつまでも政権を握ることもできず、その後継者の候補をめぐる政治的争いがすで始まっている模様である。

アンゴラは石油、ダイヤモンドに恵まれ、経済成長が確実に進んでいる。債務危機で苦しむ元宗主国ポルトガルの救済措置の一貫として、アンゴラは石油から得た利益をポルトガルに投資すると表明したほど成長を成し遂げている。しかし、その分配が非常に不平等で、人口の大半は貧困で苦しむ。政府の財政状況は不透明であり、多大な資金が大統領、その親戚及びその他のエリートに流れているとされる。

日本のメディアはアンゴラ情勢をほとんど取り上げることはない。例えば、読売新聞は近年、アンゴラ情勢に関する記事を掲載したのは20101月と、2年近くも前となる。今年のデモはアンゴラにすれば大きな意味を持つ出来事である。アンゴラ情勢を報道してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「読売新聞が近年、アンゴラを取り上げてから2年近くが経っています。民主化を求めるデモの発生や、元宗主国ポルトガル経済の救済措置への貢献など、報道に値する出来事が起きています。報道するべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 アンゴラでのデモに関する分析

 アンゴラのポルトガル「支援」に関する記事

 アンゴラの政治に関する記事 

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南アと欧州の武器取引問題

Posted in 「アフリカも世界の一部」, 南アフリカ with tags , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 18, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第45号 

20119月、南アフリカのズマ大統領は武器取引における汚職疑惑の調査を再開することを発表した。問題にされている武器取引は、1999年に南アフリカ国軍の近代化を目指し欧州数カ国との間に行われた大規模の取引(約3千億円)である。

取引にはイギリス、フランス、イタリア、ドイツ、スウェーデン、南アフリカの企業が参加したが、契約を成立させるために、いくつかの企業が南アフリカの政府関係者などを買収した、もしくは、政府関係者のほうから賄賂を要求したという疑惑がもたれている。例えば、南アフリカに戦闘機を売ったイギリスの兵器製造業者BAE社(スウェーデンのSAAB社と共同)が賄賂用の予算を設けていたと広く報道されている。

取引が行われた当時から疑惑が浮上しており、すでに南アフリカでは何人かの政府関係者が逮捕され、有罪判決が出ている。その一人は当時副大統領を努めていたズマ氏の財務顧問であったため、ズマ氏本人の関与も疑惑視されてきたが、2009年にすべての起訴は取り下げられた。

そこで、なぜズマ大統領本人が今回の調査再開に踏み切ったのだろうか。現在、ズマ大統領が率いる与党ANC内部で争いが激しくなっており、党内でズマに反対している勢力が再び汚職疑惑をかけようとしている。疑惑が再び浮上した場合、不利にならないよう自ら調査のプロセスをコントロールするためとされている。

仮に汚職問題がなかったとしても、取引自体に対する批判も強かった。深刻な貧困問題を抱え、また南アフリカの脅威となる強力な国が周辺には存在していない。そんな状況の中で、新しい軍艦、潜水艦、戦闘機などに何千億円をかける必要性が問われた。

南アフリカはアフリカ大陸では最大の経済を誇っており、世界の主要新興5カ国(BRICS)に含まれている。人種差別が制度化されていたアパルトヘイト時代に、他の多くの国がアパルトヘイト政策の撤廃をめざし経済制裁をかけていた中、日本は白人政権と良好な貿易関係を維持し、南アフリカの最大の貿易相手となった。そのため、本来なら差別の対象となる日本人は「名誉白人」として扱われていた。現在も、経済を含み、日本との関係は決して浅くない。

しかし、日本では、2010年のワールドカップ以降、南アフリカに関する報道が少ない。例えば、読売新聞は今年に入ってから、地方選挙及び、アパルトヘイト時代の話題に関する記事をいくつか掲載したものの、武器取引問題については一度も報道していない。また、ズマ大統領の政治問題もほとんど報道されていない。南アフリカの情勢を報道する必要があるのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「南アフリカと欧州数カ国の企業との間に行われた大規模の武器取引をめぐる疑惑の調査が現在再開されています。南アフリカのズマ大統領も関与していたともされています。この問題を報道する必要があるのではないでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 南アの武器取引問題に関する分析

 BAE社と南アの武器取引に関する記事

 BAE社と南アの武器取引に関する分析

10月に行われる国際イベント「コンゴウィーク」に関する情報

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安定しないコンゴ民主共和国

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 6, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第44号 

201111月、コンゴ民主共和国DRC)で大統領選挙が予定されている。しかし、実施に必要なDRC政府の予算も、先進国ドナーからの援助も大きく不足しており、準備が遅れている。有権者登録が済んだものの、独立機関による確認が行われていない。野党が不正を訴え、91日には首都キンシャサで数百人によるデモが発生した。現在も、選挙を延期するべきか、不正の懸念を持ちながらも予定通り強行するべきか、DRC国内外で議論されている。

冷戦後、世界最多の死者数を出しているDRCの紛争はまだ終わっていない。DRCに侵攻し占領していたルワンダウガンダ2003年までに撤収し、表向きには、国際紛争は終息した。包括的な和平合意が結ばれ、2006年に歴史的な選挙も行われた。ルワンダが支援し続けていた大型反政府勢力も2009年に政府と和平合意を結び、兵士は国軍に取り込まれることになった。

しかし、紛争は部分的に続いている。東部ではいくつかの武装勢力が軍事活動を続行しており、DRCの国軍はいまだに制圧できていない。また、多くの人権侵害の加害者が給料も訓練も十分に受けていない国軍の兵士であり、国軍でありながらも一般市民にとって脅威となることも少なくない。さらに、和平合意を結び、国軍に「統合」された元武装勢力も、制服を着替えたものの、もともとの形をそれほど崩しておらず、部隊の解体やDRC国内の他の地域への移転を拒んでいる。

また、様々な形で紛争が20年近く続いてきたため、警察、司法制度の機能が極めて弱く、治安が大きな問題として残っている。安定しないDRCの東部では暴力事件、殺人事件、レイプが多発している。そして少なくとも170万人の国内避難民は家に帰ることができていない。

紛争を長引かせたひとつの要因として、日本の電子産業にも欠かせない鉱物資源が挙げられている。昨年発表された国連の報告によると、東部にあるほとんどの鉱山は国軍を含む武装勢力にコントロールされている。このような紛争と関連した鉱物資源の規制につながる法律がすでにアメリカで採択されている。その結果、企業は使用している資源が紛争と無関係であることを証明する義務を負うようになる。アメリカ及びアメリカの市場を対象にする世界の多くの企業がすでにDRCからの鉱物資源を避け始め、DRCからのスズ、金、タンタルなどの輸出が激減している。

日本のメディアはなぜこのような情勢を無視するのだろうか。読売新聞は2011年に入ってから、DRC情勢に関する記事をひとつも掲載していない。せめてDRCの安定に大きく影響する今年の選挙、そして日本の電子産業にも影響を及ぼす鉱物資源問題に関する報道があってもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「今年実施されるコンゴ民主共和国の大統領選挙の準備が遅れ、不正を訴える野党によるデモが発生しています。日本の電子産業も関連している鉱物資源問題も世界で注目を浴びています。にもかかわらず、読売新聞は2011年に入ってからコンゴ民主共和国の情勢を一度も報道していないのはなぜでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 選挙準備をめぐるデモに関する記事

 DRC紛争と武装勢力に関する分析

 DRC紛争、選挙、鉱物資源に関する分析

 10月に行われる国際イベント「コンゴウィーク」に関する情報

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ナイジェリアで選挙

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ナイジェリア, 選挙 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 4月 13, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第34

49日、アフリカの大国であるナイジェリアで大統領選挙が行われる予定であったが、準備が遅れ、延期せざるをえなくなった。本来、42日から3週間をかけ、順番に国会議員選挙、大統領選挙、州知事選挙が実施される予定であったが、国会議員選挙の直前に、多くの投票所に投票用紙が届いていないことが判明し、すべての選挙の日程をずらす破目になった。

ナイジェリアの選挙問題は有名である。アフリカ最大(世界8位)の15千万人を上回る人口を抱えるナイジェリアは、道路・線路のネットワークが十分に整っておらず、また、停電が頻繁に起こり、様々なインフラ問題に悩まされている。ロジスティックスの側面からも大規模の選挙を実施をすることはただでさえ安易ではない。

さらに、選挙の実施に伴う不正行為、暴力も目立つ傾向がある。今回も選挙関連の暴力事件で、すでに100人が死亡しているとされている。例えば、48日、ニジェール州にある投票所で爆弾が仕掛けられ、13人の死者が報告されている。また、場所によっては、政治家に雇われる用心棒が選挙実施側の職員を暗殺したり、住民が投票しないように脅迫をしたりすることもある。

ナイジェリアは植民地時代にイギリスの都合でひとつの「国」として作り上げられたが、「国」という政治体制及びアイデンティティはそう簡単に作り上げることができず、1960年の独立以降、主に軍事政権の元、不安定な権力分割状態が続いた。1999年にようやく民主化を果たしたものの、選挙では不正行為・暴力問題が常に付きまとってきた。1999年以降、3度の大統領選挙はすべて国民民主党(PDP)の候補が当選している。今回もPDPに所属するグッドラック・ジョナサン現大統領が当選すると見られている。

日本のメディアはナイジェリアをほとんど取り上げていません。例えば、朝日新聞はナイジェリアの選挙関連の情報をまだ一度も報じていない。投票所でテロ爆弾が14人を死亡させた事実が報道されないことは、アフリカ大陸以外ではないだろう。また、ナイジェリアは人口世界8位、石油の生産量世界6位の大国であり、この国での不安定な政治情勢を無視するのは問題なのである。このままでよいのだろうか?アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

49日 に実施されるはずのナイジェリアの大統領選挙が延期されました。また、選挙関連の暴力で100人が命を落としています。しかし朝日新聞は一度も報道してい ません。人口や、石油の生産量においてもナイジェリアは大国です。取り上げるべきではないでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

ナイジェリア選挙の概要

ナイジェリア選挙に関するニュース(映像)

ナイジェリア選挙の分析

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東日本巨大地震で被災された多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。

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アフリカ連合の首脳会議

Posted in 「アフリカも世界の一部」, アフリカ, アフリカ連合, エジプト, コートジボワール, チュニジア, 選挙, 赤道ギニア, 南部スーダン with tags , , , , , , , , , , , , , , , on 2月 3, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第28 

2011年1月末、エチオピアの首都アディスアベバでアフリカ連合(AU)の首脳会議が開かれた。政権が倒され、サウジアラビアに逃亡したチュニジアのベンアリ前大統領、そしてチュニジアから飛び火し、大規模のデモの対象で、30年間政権を握ってきたエジプトのムバラク大統領の姿はなかった。

首脳会議では、チュニジア、エジプトの問題も取り上げられたが、他の重大な議題もいくつかあり、予定が大きく変更されることはなかった。特に議論の対象となったのは、二人の大統領状態が続くコートジボワールと南部スーダンの独立に向ける準備といった課題であった。コートジボワールの危機に対して、AUは、アフリカ数カ国の首脳で構成される委員会を立ち上げ、1ヶ月間以内に拘束力のある解決策を打ち出すことを決定した。また、南部スーダンに関しては、AUは住民投票の結果(99パーセント以上の賛成投票で独立が確定した)を歓迎した。

今回の首脳会議で話題を呼んだのは、AUの議長として、赤道ギニアのンゲマ大統領が選ばれたことである。AUの議長は任期1年の象徴的なポストではあるが、ンゲマ大統領は1979年にクーデターで政権をとり、それ以降、独裁政権を築いてきた人物である。国の石油から得た富の大半はンゲマ大統領自身とその身内が握っており、赤道ギニアは深刻な貧困問題を抱え続けている。北アフリカ、コートジボワールなどでの問題から、「民主主義」が注目されているなか、ンゲマ大統領の任命は欧米などで批判の対象となっている。

民主主義といえば、2011年、アフリカでは18カ国が選挙を実施する予定である。ナイジェリアコンゴ民主共和国のような「大国」も、権力を握りしめる大統領を抱えているジンバブエ、エジプト、ウガンダなども含まれる。これからもアフリカから目が離せない状態が続きそうである。

日本のメディアは現在、エジプト情勢の報道に力を入れているが、その火種となったチュニジアで革命が起こる寸前の状況をまったく取り上げようとしなかった。また、デモの様子は注目を浴びるようになったが、その背景、経緯、そして北アフリカ・中東を含む全体像も十分に報道されていない。AU首脳会議の報道も皆無に近い状況である。朝日新聞は首脳会議を取材しなかったようで、ウェブサイトには、時事通信社から入手されたエジプト問題を中心に書かれた2つの短い記事で言及があるのみである。アフリカの各地で多くの重大な出来事が重なるこの時期にアフリカの首脳会議を取材しなくてもよいのだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「2011年1月末、アフリカ連合(AU)の首脳会議が開かれ、日本のメディアでも注目され始めたチュニジア・エジプト問題のみならず、コートジボワールの危機、南部スーダンの独立も議論の対象となりました。朝日新聞はこの首脳会議をなぜ取材しなかったのでしょうか?アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 AU首脳会議とアフリカのリーダーたちに関する記事

 AUとコートジボワール危機に関する記事

 AUの議長となったンゲマ大統領に関する記事

 2011年のアフリカでの選挙に関する記事

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