戦争 のアーカイブ

大湖地域での進展

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国, ルワンダ, 報道量, 大湖地域 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 14, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第9

コンゴ民主共和国ルワンダウガンダなどを含むアフリカの「大湖地域」から目が離せない状況が続いている。「アフリカも世界の一部」第8号が配信されてから、いくつかの進展が見られたので、今週もこの地域に関する記事とする。

前回(第8号)で紹介したザイール(現コンゴ民主共和国)でのルワンダ政府による「ジェノサイド」騒動に対して、ルワンダはPKOからの撤退を警告したが、国連事務総長がこのような事態を防ぐために、ヨーロッパ訪問を中断し、ルワンダを緊急訪問した。この疑惑の究明のため、コンゴ民主共和国政府が集団墓地での法医学検査の実施を予定しているようである。

別の事件で、先月、コンゴ民主共和国東部で武装勢力が攻撃をかけた際、240人の女性にレイプ被害があったと報告されていた。しかし引き続きの調査で被害者が500人を超えることが判明した。また、攻撃が行われた当時、国連PKOの部隊がその現場からわずか30キロ離れたところに駐在しており、なぜ住民を守れなかったのか批判を浴びている。PKO部隊の人数不足と住民を守る意欲が問題にされているが、住民が攻撃を受けたとき、PKOの助けが呼べるように、携帯電話の電波状況が改善される必要があるという声もある。

もうひとつ、この地域での大きな出来事が報告されている。コンゴ民主共和国のカビラ大統領は三つの州(いずれも東部にある北キヴ、南キヴ、マニエマ)での鉱業活動を一時的に禁止するという指令を発表した。これらの州は鉱物資源の宝庫であり、パソコン、携帯電話などの電子回路に使われているスズ、タンタルなどが大量に採れ、金も採れる。

この地域での鉱山のコントロールをめぐる争いがコンゴ民主共和国の紛争を長引かせている大きな原因であり、この紛争と先進国とのつながりを表すものでもある。上記の武装勢力の攻撃とレイプ事件も鉱山の多い地域で起こった。カビラ大統領は紛争を長引かせている「鉱物資源搾取に関わっているマフィアのような者」の活動を阻止するために鉱業禁止に踏み切ったと述べている。

最後に、再選されたルワンダのカガメ大統領の就任式にコンゴ民主共和国のカビラ大統領が出席した。滞在期間中、二人の大統領は3度も話し合いをもったようである。カビラ大統領は国外にでることがほとんどなく、又、長い間敵対関係にあったこともあり、1998年以降、一度もルワンダを訪問していない。話し合いの内容は不明だが、この訪問が話題を呼んでいる。 

読売新聞はルワンダの「ジェノサイド」騒動に関する記事を掲載したが、それ以外の動きに関する情報は出していない。特に500人の女性がレイプされて、ニュースにならないというのは理解し難いことだろう。中央アフリカでの出来事も報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「8月にコンゴ民主共和国で、武装勢力の攻撃で500人以上の女性がレイプの被害にあっているということがわかりました。わずか30キロ離れていたPKOの部隊は介入できず、批判を浴びています。読売新聞はこの事件を報道していません。500人がレイプされてもニュースにならないのはアフリカ大陸だけではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 国連事務総長のルワンダ訪問に関する記事

 コンゴ民主共和国でのレイプ事件に関するニュース(映像)

 コンゴ民主共和国での鉱業活動禁止事例に関する記事

※  コンゴ民主共和国の紛争への意識を高めるためのグローバル運動「コンゴ・ウィーク」が、今年は10月17~23日に世界各地で開催されます。日本でも、大阪大学を中心にいくつかのイベントを予定しています。詳細はこれからお知らせしますが、関心のある方はご一報をお願いします

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病死と医療体制とコンゴ民の紛争

Posted in コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , on 10月 13, 2009 by Virgil

Eyes on the Congoからの投稿その3

今年医学部に入学し、医者への道を一歩前進しました。

そんな中、今回、私がコンゴ民主共和国とその周辺を巻き込んだ紛争に興味を示すようになったきっかけは、大学で行われた授業の中でのことでした。

はじめは、そもそもどういった経緯でそこまで大きく発展していったのかという事実及び情報に対しての関心を持った上で、知っておきたいという思いでした。

その過程で、一つの事実にたどり着きました。それは、ここまで死者数が増えた原因は、単に戦闘が長く続いているというだけではなくて、感染症などによっても大量に死者が出ているというものです。

はじめこそ戦闘での死者が全体の11%と多数出たものの、現在では戦闘での死者が0.4%となったことにも見られるように、戦闘規模が小さくなっているにもかかわらず、死者が増え続ける原因はやはり病気が主たる原因であると考えられます。しかし、その病気どれもがまったく治療手段のないものというわけではありません。

ではなぜ、治療ができないのか。その原因は、戦闘などによる国内の政治的・経済的混乱により、十分な医療・安全な食料・インフラ設備が提供できずにいるのです。逆に言えば、それらを安全に提供でき、国民が安心して利用できる環境が整えば、死者数は圧倒的に少なくなるはずなのです。

医療の提供については、実際の治療に加え、予防のためのワクチンも必要になってきます。国内の崩壊した医療体制では追いつくはずもなく、国際医療班(「国境なき医師団」など)が実際に現地に向かい、活動することが必要となります。そのためにはもちろん資金が必要になってくるわけです。しかし、メディアに載らない・人々がコンゴ民主共和国の現状を知らない以上、十分な資金が届くとは考えられません。

さらには、外部から手を入れてその場限りの治療をするのだけでは、一時的には状況が良くなっても継続的にはいかない恐れがあります。そのためにも、国内の医療体制を立て直し、より良い治療法を伝えていくことが大切です。同じ資金を出すにしても、「資金は出すから後は何とかしてくれ」という姿勢では何も良くなりません。また、国として安定していないところに資金だけ投入しても、何に使われるのかわかったものではない(武器の購入など)というのも肯ける意見ではないかと思います。

医療体制の崩壊は、戦闘を経験した場所であれば必ずといっていいほど直面する現実です。これ以上の死者の異常な増加を止めるためには、国内の医療の充実が求められているのです。

ステルス紛争の悲劇というのは、私たちの目に付かないからこそ、その死者数は大きく膨らんでいく一方なのです。この悪い流れを断ち切るためにはまず、私たちが知ることが必要なのです。

なぜコンゴ民主共和国?

Posted in コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , , , , on 9月 30, 2009 by Virgil

世の中にステルス紛争がたくさんある。逆にいえば、国際ニュースが極めて乏しい日本では、注目されている紛争のほうが非常に少ない。イラク、イスラエル・パレスチナ、アフガニスタンなど、アメリカが強い関心をもつ紛争なら日本でもある程度は注目を受けるが、それ以外の世界で起きている約20~30の紛争の出番がほとんどない。残念ながら、新聞をいくら読んでも、政府関係者の発言をいくら聞いても、世界で何が起きているのかがなかなか把握できない。

では、日本から見て、世界のほとんどの紛争がステルス紛争であるのなら、なぜこのブログでコンゴ民主共和国をこんなに取り上げるのか。それはコンゴ民主共和国ほどのステルス紛争は少なくとも第2次世界大戦後に表れていないからである。死者数でみるとコンゴ民主共和国紛争は圧倒的に世界一大きな紛争である。1998年以降、540万人の死者を出している。これはイスラエル・パレスチナ紛争の800倍となる。一時は周辺8カ国からの兵力が投入され、戦場規模は西ヨーロッパに相当するほどのものだった。「アフリカの第一次世界大戦」とも呼ばれるぐらいだった。

それにもかかわらず、日本の政府関係者、そしてメディアからは沈黙が目立ち、日本のNGOがコンゴ民主共和国でほとんど活動をしていない。日本の一般市民にはこの紛争の存在すらほとんど知られていない。なぜだろうか。紛争に関する情報がまったくでていないわけではない。これほど情報があり溢れる時代に政府関係者やメディアの編集者たちがこの紛争の存在を「知らない」というのは考えられない。また、この紛争による死者数を数える調査は2000年以降何回か繰り返されている。紛争の規模も十分知られているはず。

さらに、タンタル、コバルト、スズ、銅など、日本の電子産業に欠かせないような鉱石資源は大量にコンゴ民主共和国でとれる。経済の側面から見ても、日本とは無縁ではない。「日本人は関心がないから・・」というのもいいわけにはならないだろう。多くの場合において、関心はもともとあるものではなく、つくるものだろう。

これだけグローバル化している世界に、これだけ情報コミュニケーション技術が発達している世界に、どうしてこのようなアンバランスがありうるのだろうか?大国あるいは鉱石資源を扱っている大手企業は利害関係があるから意図的に隠しているのだろうか?メディアにとって複雑すぎて取り上げる気にならないのだろうか?「黒人」同士の紛争だから重要視していないのだろうか?

政府にもメディアにも無視する理由はいろいろあっても、我々個々の人間としてこれほどの大きな紛争は無視してもいいのだろうか?実は、この紛争が無視されているからこそ、紛争による被害がここまで大きくなった。紛争の死者数の9割以上は弾丸や爆弾で殺されているのではなく、病死、餓死しているわけである。暴力を止められなくても、注目度が高ければ、このような被害を減らす措置はとれるはず。

もちろん、状況を十分に把握せずに、とりあえず支援物資を送り込めばいいという単純なものではない。例えば、治安が落ち着かない状況に支援物資が入ると場合によっては状況が悪化することも十分考えられる。しかしだからといって、支援物資はいらないというわけではない。それは包括的な改善策の一部として必要不可欠なものであろう。

このような改善策を実現するには、政府、メディア、一般市民、研究者などからの幅広い関心・注目が必要となる。そこで、政府やメディアが動かないのなら、まず、一般市民から動くしかない。政府は我々を代表しているはず、そしてメディアは消費者である我々の関心を意識して新聞やニュース番組を作っているはずだから、多くの人が声を出せば、ある程度の関心を引き起こすことができると思う。

まず、この紛争について知るところからはじめよう。そして知ってから発信しよう。まわりの家族や友人など、身近な人々に発信することは大事だが、政府関係者、メディアなどにも発信することがとても大切である。「なぜ世界最大の紛争であるコンゴ民主共和国のことをとりあげないのか?」を問うなどと、1通のメールで簡単にできることがある。そのようなメールが多くなればなるほど、変化をもとらすことができるのではないだろうか。

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