政府 のアーカイブ

孤立するコートジボワール残留政府

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コートジボワール, 選挙 with tags , , , , , , , , , , , on 1月 5, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第24 

平和につながるはずのコートジボワール大統領選挙は逆に武力紛争の再発へと繋がる危険性が高くなってきた。落選したとみられているバグボ「現」大統領は、ますます孤立する立場に陥っているものの、政府の頂点から退く気配はない。そして当選したとされているウアッタラ氏は国連PKO(国連コートジボワールミッション:UNOCI)の兵に守られ、ホテルにこもったままである。そしてこの危機の影響を受け、国際市場でのカカオの価格は12%以上跳ね上がっている。

12月23日に国連総会は全会一致で、ウアッタラ氏が任命した国連大使を承認した。アフリカ連合(AU)も西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)もウアッタラ氏を承認し、ECOWASは武力を用いてバグボ氏を権力の座から降ろすことまで決定した(現段階では交渉を優先しているが)。欧州連合(EU)とアメリカはバグボ氏に対して入国禁止措置をとっている。また、世界銀行も西アフリカ経済通貨同盟(WAEMU)も政府への資金の流れを止めようとしている。いわゆる「国際社会」において、これほどの統一は珍しいかもしれない。

しかし、バグボ氏は軍と多くの市民の支援を得ている。12月にバグボ氏に対して反対派市民によるデモが行われたが、治安部隊はこれを制圧した。治安部隊はこのような制圧にとどまらず、反バグボ派の主要人物を逮捕、または暗殺しているとまで報じられ、選挙が実施されてから死者が200人以上にまで昇っているとされている。集団墓地の存在が噂されているが、確認しようとしているUNOCIは治安部隊に妨害されている。また、状況の悪化を恐れる住民は難民となり、リベリアに流れ始めた。

12月18日、バグボ氏はUNOCI(兵力7,500人)の撤退を要求したが、国連は大統領としての権限を認めていないため、応じていない。また、国連安保理はこのミッションの派遣期間を延長した。

ウアッタラ氏はバグボ氏を権力の座から降ろすために国民に28日からゼネストを実施するよう、呼びかけたが、情報が行き渡らず、支持不足せいか、これは成り立たなかった。ウアッタラ氏は北部では人気が高いが、権力の中心は南部のアビジャン市にある。

バグボ氏は表向きには折れる姿勢を見せていないが、裏では動きがあるようである。コートジボワールを訪れたECOWASの代表団の一員によると、バグボ氏は選挙の票の再集計と同時に、権力の座から降りた場合、恩赦の保障も求めている。また、あるジャジーラとのインタビューでは、場合によっては権力分割も考えられるともほのめかしている。

日本の新聞は今回のコートジボワールの危機を報道している。アフリカの出来事にしては珍しいことである。例えば、朝日新聞は12月に入ってからこの問題について10の記事を掲載している。評価すべきである。他のアフリカでの出来事もこのように取り上げるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「朝日新聞は最近、コートジボワールの危機を取り上げています。アフリカの出来事にしては珍しいことです。ありがとうございます。アフリカでの出来事は決して他人事ではありません。アフリカに関する他のニュースもこのように報道するべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 コートジボワール問題に関するニュース(映像)

 PKOとコートジボワールに関する記事

 ECOWASとコートジボワールに関する記事

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なぜコンゴ民主共和国?

Posted in コンゴ民主共和国 with tags , , , , , , , , , on 9月 30, 2009 by Virgil

世の中にステルス紛争がたくさんある。逆にいえば、国際ニュースが極めて乏しい日本では、注目されている紛争のほうが非常に少ない。イラク、イスラエル・パレスチナ、アフガニスタンなど、アメリカが強い関心をもつ紛争なら日本でもある程度は注目を受けるが、それ以外の世界で起きている約20~30の紛争の出番がほとんどない。残念ながら、新聞をいくら読んでも、政府関係者の発言をいくら聞いても、世界で何が起きているのかがなかなか把握できない。

では、日本から見て、世界のほとんどの紛争がステルス紛争であるのなら、なぜこのブログでコンゴ民主共和国をこんなに取り上げるのか。それはコンゴ民主共和国ほどのステルス紛争は少なくとも第2次世界大戦後に表れていないからである。死者数でみるとコンゴ民主共和国紛争は圧倒的に世界一大きな紛争である。1998年以降、540万人の死者を出している。これはイスラエル・パレスチナ紛争の800倍となる。一時は周辺8カ国からの兵力が投入され、戦場規模は西ヨーロッパに相当するほどのものだった。「アフリカの第一次世界大戦」とも呼ばれるぐらいだった。

それにもかかわらず、日本の政府関係者、そしてメディアからは沈黙が目立ち、日本のNGOがコンゴ民主共和国でほとんど活動をしていない。日本の一般市民にはこの紛争の存在すらほとんど知られていない。なぜだろうか。紛争に関する情報がまったくでていないわけではない。これほど情報があり溢れる時代に政府関係者やメディアの編集者たちがこの紛争の存在を「知らない」というのは考えられない。また、この紛争による死者数を数える調査は2000年以降何回か繰り返されている。紛争の規模も十分知られているはず。

さらに、タンタル、コバルト、スズ、銅など、日本の電子産業に欠かせないような鉱石資源は大量にコンゴ民主共和国でとれる。経済の側面から見ても、日本とは無縁ではない。「日本人は関心がないから・・」というのもいいわけにはならないだろう。多くの場合において、関心はもともとあるものではなく、つくるものだろう。

これだけグローバル化している世界に、これだけ情報コミュニケーション技術が発達している世界に、どうしてこのようなアンバランスがありうるのだろうか?大国あるいは鉱石資源を扱っている大手企業は利害関係があるから意図的に隠しているのだろうか?メディアにとって複雑すぎて取り上げる気にならないのだろうか?「黒人」同士の紛争だから重要視していないのだろうか?

政府にもメディアにも無視する理由はいろいろあっても、我々個々の人間としてこれほどの大きな紛争は無視してもいいのだろうか?実は、この紛争が無視されているからこそ、紛争による被害がここまで大きくなった。紛争の死者数の9割以上は弾丸や爆弾で殺されているのではなく、病死、餓死しているわけである。暴力を止められなくても、注目度が高ければ、このような被害を減らす措置はとれるはず。

もちろん、状況を十分に把握せずに、とりあえず支援物資を送り込めばいいという単純なものではない。例えば、治安が落ち着かない状況に支援物資が入ると場合によっては状況が悪化することも十分考えられる。しかしだからといって、支援物資はいらないというわけではない。それは包括的な改善策の一部として必要不可欠なものであろう。

このような改善策を実現するには、政府、メディア、一般市民、研究者などからの幅広い関心・注目が必要となる。そこで、政府やメディアが動かないのなら、まず、一般市民から動くしかない。政府は我々を代表しているはず、そしてメディアは消費者である我々の関心を意識して新聞やニュース番組を作っているはずだから、多くの人が声を出せば、ある程度の関心を引き起こすことができると思う。

まず、この紛争について知るところからはじめよう。そして知ってから発信しよう。まわりの家族や友人など、身近な人々に発信することは大事だが、政府関係者、メディアなどにも発信することがとても大切である。「なぜ世界最大の紛争であるコンゴ民主共和国のことをとりあげないのか?」を問うなどと、1通のメールで簡単にできることがある。そのようなメールが多くなればなるほど、変化をもとらすことができるのではないだろうか。

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