環境問題 のアーカイブ

ウィキリークスとナイジェリア

Posted in 「アフリカも世界の一部」, ナイジェリア, 資源 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 12月 14, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第22 

内部告発サイト、「ウィキリークス」はアメリカの国務省の外交公電約25万点をアメリカ政府内の告発者から受け、現在、公開し続けている。その中、アフリカに関する外交公電は少なくない。これからも流出されるだろうが、今の時点で最も興味深いのはナイジェリアに関するものであろう。

ナイジェリアのアメリカ大使館から送信されたある外交公電には、アメリカの外交官とアフリカに点在するシェル石油会社の責任者、アン・ピカードとの会談の様子が書かれていた。ピカード氏によると、シェルはナイジェリアの主要な省庁に職員を潜入させており、内部情報にアクセスしていると述べた。言い換えれば、ナイジェリア政府に対するシェルの「スパイ活動」が暴かれた。

アフリカ大陸の人口の6分の1も占めるナイジェリアは石油大国である。輸出量は世界8位となっている。しかし、石油からの富の大半はシェルのような多国籍企業と腐敗した政府関係者に吸収されるため、経済成長が遅く、住民の貧困は深刻な問題である。さらに、石油が採れるニジェール・デルタでは石油流出が頻繁に起こり、環境汚染も深刻な問題となっている。

上記の問題が原因となり、1990年代から抗議運動や反政府勢力が現れた。これに対し、ナイジェリアの独裁政権の抑圧があり、1995年に執筆者で活動家のケンサロ・ウィワは逮捕、処刑された。この事件も含めて、シェルは政府による抑圧・人権侵害に関与していたとされる。反政府勢力は石油施設に攻撃をかけたり、パイプラインから石油を盗んだりを繰り返した。そのため、ナイジェリアの石油輸出量が20パーセント減少し、世界の石油価格にも影響してきた。近年、いくつかの反政府勢力グループは政府と和平合意を結んでいるが、部分的に紛争は続いている。

ナイジェリアで行動が問題視されている多国籍企業はシェルだけではない。天然ガスの施設をめぐり、アメリカのハリバートン社は1990年代からナイジェリア政府関係者に賄賂を贈ってきたとされ、今年12月、ナイジェリア政府は当時のハリバートンのCEOであったアメリカのチェイニー前副大統領を起訴する手続きを取り始めた。また、ウィキリークスが公開した別の外交公電には、大手の製薬会社のファイザーとナイジェリア政府とのトラブルに関する新しい事実が含まれている。

日本のメディアは今回のシェルの「スパイ活動」のことを報道していない。ナイジェリアは少なくとも西アフリカに大きな影響力を持つ大国であり、ナイジェリア情勢が世界の石油価格に深く影響している。にも関わらず、ナイジェリアに関する報道は少ない。例えば、今年は上記の問題以外にも、大統領が病死し、新大統領の就任、首都に爆破テロ事件の発生などの大きな出来事がいくつもあったが、朝日新聞は、ナイジェリア情勢について詳しく触れていない。この地域をもっと取り上げるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「ナイジェリアはアフリカ最大の人口を抱える大国であり、石油輸出大国でもあります。しかしその石油をめぐり、武力紛争、環境破壊が発生しています。内部告発サイトのウィキリークスが公開した外交公電にはそのナイジェリアでの石油会社の疑わしい行動が描かれています。この状況を報道してください。アフリカも世界の一部です。」

イベント紹介:「独立を問う南部スーダン:住民投票のゆくえと人道支援」(12月18日アット東京。詳しくはリンクからアクセス)

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 シェル「潜入」の外交公電に関する記事

 チェイニー氏の汚職問題に関する記事

 ファイザー問題に関する記事

「アフリカも世界の一部」運動とは?このページをアクセス。

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過去の記事はこのページからアクセス

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マダガスカルの危機と国連総会

Posted in 「アフリカも世界の一部」, マダガスカル, メディア, 報道量 with tags , , , , , , , , on 10月 5, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第12 

今年9月に開催された国連総会で演説をしなかった国は1カ国のみであった。マダガスカルの外務大臣は国連本部のあるニューヨークまで行ったが、結局、演説予定の当日に取り止めた。

止めたことには理由があった。昨年、実質的なクーデターで政権を取ったラジョエリナ氏が国連総会で演説を予定していたが、政権の正統性を認めなかった南部アフリカ開発共同体(SADC)の国々が総会での投票を通じて、演説の実施を阻止した。今年、マダガスカル外務大臣は再び総会での争いを避けるため、自粛したと述べた。

ラジョエリナ氏は、元ラジオ局のDJであり、2007年からマダガスカルのアンタナナリボ首都の市長になった。ラヴァルマナナ大統領が率いる政府へ不満が積もる中、ラジョエリナ市長は政府への批判を繰り返した。

2009年1月に、ラジョエリナ市長が経営していたテレビ局が政府に閉鎖されたことをきっかけに、政府に対する抗議デモを呼び掛けた。暴動が発生し、治安部隊による発砲事件では死者も出た。しかし、国軍の一部がラジョエリナ氏を支持し始め、ラヴァルマナナ大統領は3月、辞任に追い込まれた。国軍の支持を得たラジョエリナ氏は大統領就任式を強行した。当時34歳であったため、憲法上の年齢制限で大統領になれなかったはずであったが、暫定政府として憲法の見直しもすると発表した。

これに対して、アフリカの国々及びドナー国が「クーデター」だと批判し、経済制裁などの措置をとった。政治的危機が続く中、マダガスカルの経済状況が著しく悪化した。3年間続いている干ばつとも重なり、食糧危機が発生し、栄養失調で苦しむ住民が増えている。また、政治的な空白と治安の悪化が原因で、保護されている森林での不法伐採が急増し、環境問題にもつながっている。

ラヴァルマナナ前大統領などとの政権協議が行われ、一時期、権限分割の合意に達したが、実行されずに崩壊した。ラジョエリナ氏は今年11月に憲法に関する市民投票と2011年に大統領選挙を実施すると発表している。

日本のメディアはこの「クーデター」以降の進展をほとんど報道していない。読売新聞は2009年に権限分割の合意ができたという事実だけを109字の記事にしたが、その後のマダガスカルの政治情勢を一切報道していない。この危機に関する報道があってもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「マダガスカル政権の正統性をめぐる争いが続き、今年の国連総会でマダガスカルが演説をしなかった唯一の国となりました。また、この政治的危機が経済危機、食糧危機にもつながっています。読売新聞はなぜ、1年近く、マダガスカルの政治情勢に関する記事を掲載していないのでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 マダガスカル危機に関する分析・映像

 マダガスカルと国連総会に関するニュース

 マダガスカルの歴史のタイムライン 

過去の記事に関する最新情報:

「アフリカも世界の一部」第8号で伝えた、コンゴ民主共和国における「人道に対する罪」に関する報告書が10月1日に公表された。ルワンダ軍の「ジェノサイド疑惑」に関する文言が少し編集されたものの、大きく変えられていない。ブルンジ、ウガンダ、そしてルワンダはこの報告書を批判したが、ルワンダは抗議としてPKOから撤退することはないと表明している。コンゴ民主共和国は報告書を歓迎している。詳しくはこの記事を参照。

※  コンゴ民主共和国の紛争への意識を高めるためのグローバル運動「コンゴ・ウィーク」が、今年は10月17~23日に世界各地で開催されます。日本でも、大阪大学を中心にいくつかのイベントを予定しています。イベント紹介はこちらです。詳細はこれからお知らせしますが、関心のある方はご一報をお願いします。

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過去の記事はこのページからアクセス

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