金 のアーカイブ

コンゴ民主共和国と金の密輸

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国, 資源 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 2月 28, 2011 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第31 

2011年2月、ビジネスジェットがコンゴ民主共和国の東部にあるゴマ市の空港に着陸し、その場で取引が行われた。5.5億円相当の米ドルが降ろされ、約500キロ分の金の延べ棒が乗せられた。飛行機が離陸寸前、不審に思った警察に発見され、引き留められた。

飛行機はアメリカの石油会社のものであり、ナイジェリア経由でタックスヘイブン(租税回避地)のバミューダから来ていた。ゴマ空港で密輸の疑いで逮捕されたのはその石油会社の社長の親戚(アメリカ人)をはじめ、フランス人、ナイジェリア人2人を含む8人であった。まさにグローバル化の負の側面を表す事件である。

今回の取引された金の市場価格は16億円相当だといわれている。その売り手はルワンダに支援を受けてきた反政府勢力CNDPの元リーダーのボスコ・ンタガンダであった。ルワンダ出身のンタガンダ氏は戦争犯罪で国際刑事裁判所から逮捕状が出ており、別名「ターミネーター」とも言われている。2009年の和平合意のもと、CNDPはコンゴ民主共和国の国軍に吸収され、ンタガンダ氏は国軍所属の身分である。本人によると、取引はおとり捜査だった。一方、逮捕されたビジネスマンは密輸ではなく、ケニアで合法的な取引をするはずであり、詐欺の被害者だと主張している。

コンゴ民主共和国は鉱物資源の宝庫である。金の他に、電化製品に欠かせないタンタル、スズ、タングステンが大量にあり、リチウムイオン電池に使われるコバルトは世界生産量の4割も出している。ダイヤモンドや銅も豊富である。しかし、これらの鉱物資源はコンゴ民主共和国が抱える世界最大の紛争と関係があり、闇市場で動いているものも少なくない。そこで、2010年に政府は東部での鉱業事業に対して一時的な禁止指令を出し、それは今も続いている。アメリカも中央アフリカからの鉱物資源の輸入を厳しく規制する法律を2011年4月から発効し、企業は使用している資源が紛争と無関係であることを証明する義務を負うようになる。

このように、鉱物資源において大きな動きがあり、又、政治情勢も動いている。今年11月、大統領選挙が行われる。カビラ現大統領が出馬する予定だが、長年、野党のリーダーを務め、前回の選挙をボイコットしたチセケディ氏も今回出馬することを表明している。別の野党のリーダーのカメレ氏も人気が上昇している。また、残っている武装勢力のいくつかのグループと政府との間は、和平合意が進んでおり、国軍に吸収されることになる。

日本のメディアは相変わらず、コンゴ民主共和国での出来事を取り上げてない。今年、朝日新聞はコンゴ民主共和国に関する記事を一つも掲載していない。この国は世界最大の紛争を抱えており、そこでの出来事は他人事ではない。そろそろ注目してもよいのではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。 

以下の文書のような形で、朝日新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「2011年に入り、朝日新聞は一度もコンゴ民主共和国での出来事を報道していません。しかし、日本にも関係する鉱物資源に関する動きが見られ、政治情勢も動いています。世界最大の紛争を抱えているこの国での出来事に注目してもよいのではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 金の密輸の事件に関する記事

 鉱物資源の輸入を規制するアメリカの法律に関する記事

 コンゴ民主共和国の鉱物資源に関する分析

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コートジボワールに二人の大統領

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コートジボワール, 選挙, 報道量 with tags , , , , , , , , , , , , , on 12月 8, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第21  

以前の記事(第16号)で伝えたように、10月31日、コートジボワールで歴史的な選挙が行われた。それは安定した平和が取り戻せるか否かを大きく左右するものであった。予想通り、票の過半数を勝ち取る候補者はいなく、第2ラウンドに持ち込まれた。紛争時に分裂状態になっていた北部で人気の高かったウアッタラ元首相とバグボ現大統領が候補者となり、11月28日、決戦投票は無事実施された。

しかし、結果発表はそう簡単にはいかなかった。12月2日、独立選挙管理委員会はウアッタラ氏が当選したと暫定結果を発表している最中に、バグボ氏の支持者は発表者から結果が書かれた紙を奪い取り、その場で破った。この結果によると、ウアッタラ氏は54パーセント、バグボ氏は46パーセントであった。国連事務総長の特別代表がこの結果を承認した。

ところが、バグボ氏寄りの憲法評議会は、北部4つの地域で不正があったとし、これらの地域の票は無効であると主張した。そして独自の結果発表でバグボ氏51パーセント、ウアッタラ氏48パーセントとし、バグボ氏の再選が決定されたと発表した。この行動に対する反発が強まる中、バグボ氏は厳戒態勢を取り、国境の閉鎖に踏み切った。

12月4日、バグボ氏は大統領就任宣誓を強行した。そしてそのたった1時間半後、ウアッタラ氏も同じく、大統領就任宣誓をした。コートジボワールに二人の「大統領」が並行して「就任」した。2007年、和平合意による権限分割の一環として首相になった元反政府勢力のリーダー、ソロ氏はウアッタラ氏の当選を支持し、バグボ政権から辞任した。二人の「大統領」は組閣を始めた。

選挙後、暴動などで少なくとも10人は死亡しているが、今のところ、治安が大きく乱れる事態は発生していない。6日、国境の閉鎖は解除されたが、緊迫した状況が続いており、和平プロセスが危うい。国連、諸外国政府がバグボ氏の退陣を求めている中、アフリカ連合(AU)は仲介人として南アフリカのムベキ前大統領を派遣したが、失敗に終わった。この状況の中、ドナーの援助や債務免除のプロセスも停滞している。

チョコレートの原料であるカカオの世界生産量の4割も占めているコートジボワールだが、カカオの貿易に影響が出ており、既に価格が上がっている。また、金の鉱業活動を一時停止している鉱山もある。 

読売新聞では、ワールドカップに参加していたチームの話題以外のコートジボワールに関する報道は2010年中、これまで一度もなかったが、珍しく、今回の問題を報道している。背景説明や分析が少なく、主に事実を伝えていることにとどまっているが、12月6日と7日に連続でアフリカの出来事にしては長めの記事を国際面に掲載している。一歩前進ということで評価しよう。今後も、コートジボワールがどうなるのか、そしてアフリカでの他の重大な出来事も報道されることを期待しよう。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。なぜ読売新聞?

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「11月28日、コートジボワールで決選投票が行われましたが、当選者をめぐり争いが続いており、現在「自分が大統領」だと名乗る人が二人います。読売新聞は珍しく、このアフリカでの出来事を取り上げています。ありがとうございます。これからもぜひこの出来事の行方とアフリカで起きている他の重大な出来事も報道してください。アフリカも世界の一部です。」

イベント紹介:「独立を問う南部スーダン:住民投票のゆくえと人道支援」(12月18日アット東京。詳しくはリンクからアクセス)

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 コートジボワールの現状に関する記事

 コートジボワールの現状に関する記事(その2)

 コートジボワールの現状に関する分析

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コンゴと鉱物資源と日本

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国, メディア, 資源, 報道量, 大湖地域 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 11月 17, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第18 

第2次世界大戦後、世界最大の紛争を抱えているコンゴ民主共和国(DRC)は不安定な状況が続く。紛争と様々な鉱物資源の採掘が密接につながっている。そして日本とも決して無関係ではない。

DRCの東部にあるコルタン(タンタルの原料)、スズ、タングステン、金などの鉱山の多くは国軍を含む武装勢力にコントロールされ、労働力は奴隷に近い状況が少なくない。南部にある銅、コバルトの鉱山は紛争地から離れているが、大手企業が利益を得ても、鉱山労働者が得られる収入は少なく、鉱山が環境にもたらしている悪影響は大きい。

電子回路の部品であるコンデンサに欠かせないタンタル。DRCには世界の埋蔵量の6~8割があると考えられている。主に闇市場で動いているため、実際の生産量は測りにくいが、昨年、DRCのタンタルは世界の生産量の9割も占めたと推測されている。その多くは中国が輸入しており、そして日本の電子産業に使われているタンタルの多くは中国から輸入している。

今年7月、アメリカでDRCの紛争と鉱物資源に関する法律ができた。2011年4月からは、アメリカの企業が使用している鉱物資源がDRCの紛争と無関係であることを証明する義務を負う。実質的にDRCとその周辺国からのタンタル、スズ、タングステン、金などが使えなくなる。そのため、来年タンタルの値段は今年の4倍に跳ね上がると見込まれている。DRC東部では武装勢力と鉱業の関係が続いているため、カビラ大統領は一時的に東部の鉱山の活動禁止指令を発令した。しかし、鉱業を続行している鉱山もある。

また、環境に優しいと言われている電気自動車の生産が増えているため、リチウムイオン電池の需要も跳ね上がっている。日本の三洋電機は生産量を5年で10倍にする予定で、「加西グリーンエナジーパーク」という新しい工場を完成したばかりである。世界のリチウムイオン電池に含まれるコバルトは極めて環境状況が悪い鉱山で採られている可能性が高い。世界のコバルト生産量の4割はDRCが占める。中国も韓国もコバルト、銅などを確保するためにDRCに大規模の投資を計画している。

また、日本の企業はDRCの石油の採掘に関わっている。国際石油開発帝石株式会社は1970年からコンゴ民主共和国沖合鉱区で石油の開発に参加しており、現在も採掘が継続されている。さらに今年から、同社はDRCの陸上油田の開発にも参加しているが、今のところ石油は発見できていない。 

日本のメディアは相変わらず、DRCの状況を無視している。読売新聞では紛争の状況や政治情勢を伝えるどころか、アメリカの紛争鉱物の法律と日本の電子産業への影響すら伝えていない。日本の経済成長に欠かせない電子産業、そして日本で高まる環境意識。DRC情勢とその鉱物資源に目を向けるべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。なぜ読売新聞?

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「コンゴ民主共和国の情勢と日本の電子産業との関連が深まっています。特にアメリカで紛争鉱物に関する法律ができたため、日本の電子産業に欠かせないタンタル、スズ、タングステンなどの市場が大きく動き始めています。しかし読売新聞はなぜかこの状況を伝えようとしません。他人事ではありません。コンゴ民主共和国の情勢に目を向けるべきではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 DRCの金の鉱山と国軍の関わりに関する記事

 価値が高まるタンタルに関する記事

 DRCの銅・コバルトと中国韓国の投資

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大湖地域での進展

Posted in 「アフリカも世界の一部」, コンゴ民主共和国, ルワンダ, 報道量, 大湖地域 with tags , , , , , , , , , , , , , , , , , , on 9月 14, 2010 by Virgil

「アフリカも世界の一部」第9

コンゴ民主共和国ルワンダウガンダなどを含むアフリカの「大湖地域」から目が離せない状況が続いている。「アフリカも世界の一部」第8号が配信されてから、いくつかの進展が見られたので、今週もこの地域に関する記事とする。

前回(第8号)で紹介したザイール(現コンゴ民主共和国)でのルワンダ政府による「ジェノサイド」騒動に対して、ルワンダはPKOからの撤退を警告したが、国連事務総長がこのような事態を防ぐために、ヨーロッパ訪問を中断し、ルワンダを緊急訪問した。この疑惑の究明のため、コンゴ民主共和国政府が集団墓地での法医学検査の実施を予定しているようである。

別の事件で、先月、コンゴ民主共和国東部で武装勢力が攻撃をかけた際、240人の女性にレイプ被害があったと報告されていた。しかし引き続きの調査で被害者が500人を超えることが判明した。また、攻撃が行われた当時、国連PKOの部隊がその現場からわずか30キロ離れたところに駐在しており、なぜ住民を守れなかったのか批判を浴びている。PKO部隊の人数不足と住民を守る意欲が問題にされているが、住民が攻撃を受けたとき、PKOの助けが呼べるように、携帯電話の電波状況が改善される必要があるという声もある。

もうひとつ、この地域での大きな出来事が報告されている。コンゴ民主共和国のカビラ大統領は三つの州(いずれも東部にある北キヴ、南キヴ、マニエマ)での鉱業活動を一時的に禁止するという指令を発表した。これらの州は鉱物資源の宝庫であり、パソコン、携帯電話などの電子回路に使われているスズ、タンタルなどが大量に採れ、金も採れる。

この地域での鉱山のコントロールをめぐる争いがコンゴ民主共和国の紛争を長引かせている大きな原因であり、この紛争と先進国とのつながりを表すものでもある。上記の武装勢力の攻撃とレイプ事件も鉱山の多い地域で起こった。カビラ大統領は紛争を長引かせている「鉱物資源搾取に関わっているマフィアのような者」の活動を阻止するために鉱業禁止に踏み切ったと述べている。

最後に、再選されたルワンダのカガメ大統領の就任式にコンゴ民主共和国のカビラ大統領が出席した。滞在期間中、二人の大統領は3度も話し合いをもったようである。カビラ大統領は国外にでることがほとんどなく、又、長い間敵対関係にあったこともあり、1998年以降、一度もルワンダを訪問していない。話し合いの内容は不明だが、この訪問が話題を呼んでいる。 

読売新聞はルワンダの「ジェノサイド」騒動に関する記事を掲載したが、それ以外の動きに関する情報は出していない。特に500人の女性がレイプされて、ニュースにならないというのは理解し難いことだろう。中央アフリカでの出来事も報道するべきではないだろうか。アフリカも世界の一部だ。

以下の文書のような形で、読売新聞にこの状況を伝え、報道を求めよう。

このリンクから直接投稿してください。

(もちろん、自分自身のメッセージを書いていただくのが望ましいのだが、以下の文書をコピーしてリンク先に張り付けるのも可能)。

「8月にコンゴ民主共和国で、武装勢力の攻撃で500人以上の女性がレイプの被害にあっているということがわかりました。わずか30キロ離れていたPKOの部隊は介入できず、批判を浴びています。読売新聞はこの事件を報道していません。500人がレイプされてもニュースにならないのはアフリカ大陸だけではないでしょうか。アフリカも世界の一部です。」

英語になりますが、以下のサイトを参照に:

 国連事務総長のルワンダ訪問に関する記事

 コンゴ民主共和国でのレイプ事件に関するニュース(映像)

 コンゴ民主共和国での鉱業活動禁止事例に関する記事

※  コンゴ民主共和国の紛争への意識を高めるためのグローバル運動「コンゴ・ウィーク」が、今年は10月17~23日に世界各地で開催されます。日本でも、大阪大学を中心にいくつかのイベントを予定しています。詳細はこれからお知らせしますが、関心のある方はご一報をお願いします

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